40代の女性たちと食事に行くと、こっそり傷つく!? 年齢を自覚するということ

心のふきだし #7

私は言いたくないけれどすでに50代に突入している。でも、いつもは都合よく忘れてしまっている。忘れるというか、年齢の自覚がまるでない。

仕事をしていると40代の女性に会うことが圧倒的に多い。私の年代の女性はもともと社会に出ていない人が多いのと、最初は働いていても結婚や出産を機に辞めてしまっているからだ。

特に広告業界は見かけと違って男性社会なので、女性が働き続けるのはけっこうきつい。おかげで同じ業種で同年代の女性に会うことがほとんどなかった。42、43歳の人たちは「団塊ジュニア」と言われる世代だから、それだけ人口も多い。その世代の人と日々会っているので、自分も同じような錯覚をしてしまうのだ。

40代の女性たちと食事に行くことも多い。「自分と変わらない」と思っていても、ぼんやりしていると時々「ガツン」とやられる。

女性4~5名の食事中での会話で2020年、今から4年後のオリンピックの話題になる。メンバーのひとりが、

「きゃ〜私その年に50になっちゃう!」

あとのメンバーが、

「え〜嘘! 50なんて! 信じられない」

と続く。

そういうときにひとり既に50歳を過ぎている私は「こっそり」沈黙してしまう。「え〜私もう過ぎてるし」というのは恐くてちょっと言えなくなる。

また場面が変わって会話の流れで「⚫︎⚫︎さん(私と同年代の独身女性)若い彼氏ができたらしい」という話題になる。

「え〜その年でまだ恋愛とか出来るんだ!」

こういう会話はあとから思えば、「あ〜あのときこうやってきり返せばよかった」といろいろ思う。でもたいていの場合は、その場はぼんやり聞き流してしまう。次の日の朝になってようやく「そういえば昨日はせつなかったな」と思うのだ。

話している方は無自覚に言っているから、私が「ガツン」とやられていることには全く気づいていない。

テレビでインタビューされている街角のおばちゃんや事件の犯人が自分と同じ歳でその老けっぷりに驚くことがあるけれど「それは特別」だと思い込んでいた。いつもは自分で歳を忘れている、というか意識していない。

けれど、こういう会話があって初めて「自分の年齢」を感じる。

似たような感覚はずっと以前に味わったことがある。かなり若い頃、「ボディスーツ」や「ガードル」が流行っていた。早速下着売り場に行って試着をしてみる。当時ずっと自分の「痩せすぎ」に悩んでいた私は、店員さんに「細すぎて多分合うサイズがないんです」と説明する。そして試着してみるとピタピタ、どころかきついくらい。

「ずっと痩せすぎ、絶対太らない私」という自分神話はそのときにガラガラと音を立てて崩れた。試着した私を見た店員さんの冷ややかな目つきが恥ずかしかった。

年齢の自覚というのもこういう感じなのだと思う。

40代と人たちと食事に行くと、こっそり傷つく。改めて自分の年齢を自覚し「あなたと私は違う」と線を引かれたような気分になる。

「もう若い人と会うのはやめようかな〜」と思っては、また忘れて出かけてしまう。

「油断はしないように」と、自分に言い聞かせている。

 

Illustration:Nao Sakamoto

 

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