圧倒的な質・量の村上隆のコレクションからのぞく死の影

美術館で展覧会を見て部屋に帰って本を読む #5

森美術館で開催されていた「村上隆の五百羅漢図展」は入場者が31万人を突破し、盛況のうちに幕を閉じた。やや時期をずらして横浜美術館で始まった「村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで―」が開催中である。

村上は自作を展示する大規模な展覧会だけを作るときもあるが、自身の作品の展覧会と彼がキュレーションをする展覧会の2つを同時に開催することで表現に相乗効果をもたらす術を熟知している。

具体的に言えば、2000年から始まったスーパーフラット3部作がそうだ。スーパーフラット展はロサンゼルスなどアメリカ3か所、そのパート2にあたる「ぬりえ展」はパリで、締めのパート3「リトルボーイ」はニューヨークでそれぞれ開催され、作品展+キュレーションという展開だった。つまり、「描く展」と「選ぶ展」の同時開催だ。