オペラ『ラクメ』の「花の二重唱」は、トニー・スコット監督の大のお気に入り

オトコ映画論 #4

前回に続いてデヴィッド・ボウイ主演映画を取り上げようと思う。何と言っても“ミステリアス”なボウイを堪能できるのが、リドリー・スコットの弟、トニー・スコット監督のデビュー作となる『ハンガー』(1983) である。

このとき、カトリーヌ・ドヌーヴ39歳、デヴィッド・ボウイ36歳、スーザン・サランドン36歳。文字通り、ドヌーヴ&ボウイのカップルは、絵に描いたような美男美女であった。

『ハンガー』 DVD 1,429円(税抜) ワーナー・ブラザース・ホーム・エンターテイメント
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深夜のニューヨーク。ミステリアスなひと組の男女が夜ごとクラブに通っている。女のほうはミリアム(カトリーヌ・ドヌーヴ) という名の、何世紀以上もの時を生きるヴァンパイア。彼女は時代ごとに愛する男性を見つけては、不老不死の血と永遠の美をあたえ伴侶にしてきた。そして彼女が18世紀に見つけたのがジョン(デヴィッド・ボウイ)という男で、彼が現在の伴侶なのだ。

Photo: Album/AFLO

美と贅沢さに囲まれた生活を送る2人(すごく頽廃的である)だったが、突如ジョンに老化の兆候が現れる。彼は200年間以上のあいだ彼女の力で永遠の若さを保つことが出来たというわけだ。

それで、彼は老化の研究をしている医師サラ(スーザン・サランドン)を訪ねるのだが、真剣に取り合ってもらえない。かえって急速に老化が進んでいく。ミリアムも、先の見えたジョンの後釜としてサラに関心を抱き、接近していく。