インクルーシブデザインが21世紀の社会を変える!?

デザインのミカタ #3

ちょうどインクルーシブデザインについて書いた博士論文を精読していた最中に、『Byron』の編集者から「社名変更のお知らせ」メールをもらった。社名を「INCLUSIVE株式会社」へ変更する、と。それで、今回はインクルーシブということについて書いてみる。

いまデザインの世界では、注目しておくべきデザイン方法論が3つある。スペキュラティブデザイン、サービスデザイン、インクルーシブデザインだ。いずれも1980~2000年代にヨーロッパで萌芽がめばえ、2010年代になって注目を集めているデザイン方法論である。

簡単にいってしまうと、スペキュラティブデザインは、学術的根拠をもとに「もしかしてこんなこと起こるんじゃね」という未来を呈示して、「みんなどうするよ?」と議論を呼び起こすデザインのこと。

サービスデザインは、サービスをもてなす側ともてなされる側の一対一の関係で捉えるのでなく、ビジネスの仕組みや社会的インフラまで視野を広げてサービスを生態系のように捉えて、利用者の体験価値の向上をめざすデザインである。

インクルーシブデザインの考え方は、include(含める)の対義語exclude(除外する)を意識して考えるとわかりやすい。インクルーシブデザインとは、障がい者や社会的弱者など従来デザインプロセスからもターゲットからも排除されていた人たちを、開発のプロセスに巻き込み、より多くの人の積極的な社会参加を促すことをめざしたデザイン手法のことである。