由布院で朝食を。-こんな理由で旅に出る!?

羽田空港発6時35分、東京から朝一番で大分空港へ向かう飛行機です。ソラシドエア89便と全日空3789便のコードシェア。東京から出発の場合、現在はこれが最も早い便です。今回のわたしの旅は、ともかくなにがなんでも、この早朝便に乗る必要があるのです。なぜならば、旅のメインテーマは「由布院で朝食を。」ですから。

大分空港へは朝8時20分に到着。車を運転しないので、大分空港から由布院まではバス移動。大分空港から由布院行きのバス時刻表を検索すると10時10分発が最初の便。あらら、と、ここで諦めてはいけないのです。

8時30分の別府駅行きの路線バスに乗り、別府駅で別のバスに乗り換えをすれば、由布院へ10時半までには到着できます。そして、終点の由布院駅前ではなく、3つ手前の「湯の坪」バス停で下車。てくてく歩いて亀の井別荘のカフェ「天井桟敷」へ直行します。

わたしが最もリピートしている由布院の朝食はこちら。朝9時~11時まで限定の「モーニングセット」。しかも数量限定ですから、間に合うかどうかちょっとスリリング。このドキドキもまた、旅の楽しみなのです。

天井桟敷は江戸時代の造り酒屋の屋根裏を改装、扉を開けた瞬間に引き込まれる独特の世界観があります。低めのチェアに腰かけて「ふう。」と一息。心のスイッチが切り替わるこの場所が大好きです。カフェに流れているのはグレゴリオ聖歌、サイフォンでひとつひとつ淹れる深煎り珈琲の香りが漂います。

恐る恐る「あの~。モーニングセットはまだ、ありますか?」

「はい。ございます。」

「あ~よかった。これを目指して今朝早く東京を出てきたんです。」

すいません、毎回同じ会話で……。

パンは、由布院の人気店「パン工房まきのや」。天然酵母で作る食パンのトーストは、ほおばるとどっしり、もっちりとした食感でいい小麦の香り。地元野菜を中心としたサラダやマリネ。鴨のスモーク。

甘さ控えめのリンゴジャムや手前にある味噌のようなものは、ピーナッツを砕いて練った濃厚なペースト。ブルーベリージャムがのったヨーグルトの中にはプルプルのジェリー。とろんとした温泉たまごは黒胡椒がアクセント。これにコーヒーまでいただいて1,500円也。

軽やかに朝を過ごしたい気分の時は、玉の湯のティールームニコルへ。朝9時から開いています。こちらで何をいただくかは迷うのですが、やはり大好きなのはクレソンのポタージュ、どれだけクレソンが濃縮されてますか!?という程の濃厚な緑の味わい、友永パンのサクッと軽やかなトーストとセットでいただけます。

もうひとつのお気に入りは別府友永のあんぱん。これ、実は別府の老舗パン屋さんのもので、焼きあがる度に瞬時に売り切れる逸品。別府温泉へ行くと、いつも行列して買うのですが、ここ由布院玉の湯のティールームでは優雅にお庭を眺めて頬張れる。これをホットミルクと一緒にいただくというのも、ほのぼのと幸せなのです。

「由布院で朝食を」の素敵な時間を満喫した後は、もちろん、温泉へ。玉の湯のすぐ前には、共同湯「ゆのつぼ温泉」。由布院の中心地にありながら、不思議なほどひっそりと静かな共同湯の風情を保っている場所です。湯量豊富な源泉かけ流し。透明でやわらかな単純温泉ですが、とてもよく温まります。

実は旅に出る理由なんて、いくらでもあるのです。そして旅の楽しみを意外なところで見つけることもあるのです。こんな“朝食”が食べたいと早起きをして飛行機ででかける旅も、結構クセになるほどの楽しさがあります。

近年は、手軽な料金で遠くまで行ける飛行機チケットもあるし、携帯電話から簡単に予約もできます。車に乗らなくても、地域鉄道やバスを乗り継いだり、タクシーに乗れば運転手さんに地元の人しか知らない情報を教えていただけるなんていうオマケもあったりします。

参考:

由布院温泉亀の井別荘・天井桟敷
http://www.kamenoi-bessou.jp/tenjo.html

由布院 玉の湯 ティールーム Nicol
http://www.tamanoyu.co.jp/publicspace/index.html

Photos:Hiroko Ishii