君はこの店を知っているか? レジェンドレストラン1~原宿・バスタ・パスタ~

レストラン熱中派 #2

「“バスタ・パスタ”ってどこにあるの? て言われちゃうと、あ~、知らないんだって寂しくなるね」

『ヒロソフィー』の山田宏巳シェフが嘆く。80年代最大の話題店は間違いなく原宿『バスタ・パスタ』(1985~2000)だ。山田シェフは初代の料理長としてこの店のコンセプトを造り、理論のフレンチより勢いのイタリアンがカッコイイということを形で魅せた。フルオープンキッチンの劇場形式の店は『バスタ・パスタ』が最初だった。

階段を一段降りるごとに100坪もの広いフロアが見えてくる。その中心にはコックコートに身を包んだ料理人が、魚をさばき、火を操り、皿の上においしい作品を描いていく。その熱い空気は、ライブハウスや小劇場と同じ。違うのは、キッチンから超高速でテーブルに届くアツアツのパスタがリアルに身体を満たしていく実感。美味しさの頂点を味わえるのだから、これ以上の快感はない。

ただ、駆け出しの私には、ちょっと刺激的過ぎた。だって、そこに来ている山田シェフのファンのみなさんはフェロモン全開の美女ばかり。その美女を目当てにワイルドなお兄さんたちも自然に集まる。誤解を恐れずに言えば、それはとびきりエロい空間でもあったのだ。