これは絶品。瀬戸内リトリート青凪

宿泊者の欲望 #2

松山市内から穏やかな登り坂の続く山間部に入り、名門ゴルフ場「エリエールゴルフクラブ松山」が見えてきたら、急坂の続く裏手の森に聳える建物が「瀬戸内リトリート 青凪」だ。

当初は「エリエール美術館」(大王製紙所有)だったと知れば納得のスタイリッシュな建物が、2015年12月、リゾートホテル「瀬戸内リトリート 青凪」としてデビューした。

緑多き穏やかな情景の中に、一瞬唐突にも思えるコンクリートのシンプルな建物と6階建ての2棟が並んで建つ風景。かつて1棟は美術館として、そして美術館に寄り沿うもう1棟は別棟として、関係者や賓客を泊める客室棟だった。建築・設計は安藤忠雄氏だ。館内も打ちっ放しのコンクリート造で、光を上手く採り入れたゆとりのスペースが当時の美術館を彷彿とさせる。

何しろ、シャガール、ビュッフェ、ローランサンといった近代美術の巨匠の作品が気軽に観賞できたといい、直島の「ベネッセハウス」や「地中美術館」と並び、瀬戸内を代表する建物として知られていた。それが現在はホテル名にも掲げる“リトリート”として復活し、トリートメントを提供するスパを中心に、数々のアクティビティも提案するリゾートとなった。