多発するccメール事件!?

心のふきだし #2

仕事でメールを使うようになって何年も経つ。便利だけれど、日々いろいろな事件が起こる。

メールでよく使う「CC」。これは「カーボンコピー」の略だ。「TO(宛先)の人に送ったのでCCの人も念のため目を通してくださいね」という意味。仕事でメールを使うようになったばかりの頃、この「CCメール」は画期的だと思った。それまでは、海外とのやり取りの場合はFAXでもCCを付けていたけれど、メールのように送った相手の全員が同時に見られるわけではないから不便さはあった。

そして今。必要ないような人にでも「とにかくすぐにCCを付けたがる」。これがひとつのリスクヘッジになっているのかもしれない。

ただ、仕事をしていると毎日大量のメールが送られてくるから、CCメールはスルーされることも多い。だからこそCCの使い方に注意が欠けるのだろう。

先日、仕事関係の方にご馳走になった。同年代の男性2人で、私を入れて3人の食事会。その中の1人にご馳走になったのだ。

次の日、相手の2人にそれぞれお礼のメールを別々に送った。ご馳走になった方にはそのお礼を含めた内容を、そしてもう1人の方には楽しい会だったという内容を記した。

こういう場合、2人を連名にして型どおりのメールを送りがちだけれど、私はいつもそれぞれの相手にそれぞれ別の言葉を使って「食事会でのエピソードを添えて」送るようにしている。相手が2人ではなく大勢だったとしてもそうすることを心がけている。そうじゃないと「気持ち」は伝わらないし、印象に残らない。ましてこの場合、2人に同時に「ご馳走していただいたお礼」のメールを書くと、もう一人のご馳走していない方がなんとなく気まずい感じがしてしまうかも……という配慮もあってのことだった。

そうしたら、そのメールにたいして返信が来た。ご馳走してくれた方からだった。私の送ったメールに対しての返信なので私のメールがそのまま付いている。もちろんこういうことはよくあることだ。

問題なのはご丁寧に、私があえて同時にメールしなかった「もう1人の人」をCCに付けての返信だったことだ。相手は気を利かしてもう1人の人にCCに付けたのかもしれない。しかし、そうなのだとしたら、CCではなく2人をTOにして私のメールを付けずに送ってほしかった。

残念ながらこちらの配慮は全く伝わっていなかった。もちろん、見られて困るようなことを書いていたわけではないけれど、なんとなくモヤモヤした気分になった。

通常CCメールで陥りやすいミスは、相手から来たメールにうっかり全返信した後で「え、気付かなかった。この人もCCに入っていたの?」と、送ってはいけない内容を送ってはいけない相手にメールしてしまうことで起こるミスだ。

CCメールの場合「この人にもCCを付けますね」とあえて宣言せずに送ることが多い。最初に送る人が「念のため付けておこう」とメンバーを勝手に選定する。そしてメールはたいていTO対TOで交わされる。何人かCCが付いていても、送られた方はきちんとメンバーを確認しないまま、うっかり全返信で送ってしまうのだ。そこでミスが起こる。

このようなミスも恐いけれど、これは送ってしまった方も「しまった!」とまだ「自覚の出来るミス」。面倒なことにはなるけれど対処法は考えられる。

でも、今回のようにわざわざCCを付けて、一見気を遣っているこの行為こそが、なんとなく送られた相手を不愉快な気分にさせてしまう「自覚のないミス」だ。

送った方はそのことを自覚していないからやっかいだ。そしてこういう「何気ないミス」が続くと次第に相手の中に「不愉快な気持ち」が溜まっていく。人間関係もギクシャクしていく。なんとなくうまくいかない人間関係になるのは、たいていこういう小さいことがきっかけだ。

このようにCCメールにはときどき、けれど確実に「小さな事件」が起こる。「小さな事件」は迷宮入りしたまま、なかなか解決しない。

 

Illustration:Nao Sakamoto

Image Photo:Antonova Anna/shutterstock