5棟の宿と宿を行き来して楽しむ贅沢ホテルが京都に誕生

「ENSO ANGO」は、麩屋町通、富小路通、大和大路通に点在する全5棟のホテルの総称であり、それぞれの趣が違うものの、5棟で一つのホテルとしてある。どこに泊まっても、地域とのつながりや出会いなど、‘暮らすように滞在する’という旅の楽しみを提供したいと、ホテル代表者は語っている。

「ENSO ANGO FUYA Ⅱ」の茶室が見えるロビーの一画。/Photo:Tomooki Kengaku

5棟の中のひとつ、「FUYAⅠ」に滞在したが、それぞれの棟には、客室のほかに、唯一レストランを設ける「TOMI II(富小路通II)」や、坐禅を組める畳のサロン、茶の湯を気軽に体験できる茶室、おばんざい作りを学べるプロ仕様のキッチン、宿泊ゲストが料理を楽しめるゲストキッチン、美酒が味わえるバーラウンジなど、さまざまな施設が付いていて、町との交流も行える。

「TOMI II (富小路通II)」のレストランでは、スペイン料理を基本に、タパス風のオリジナルアレンジや洋食を提供するカジュアルな食事が楽しめる。シェフに聞いてみると「町の中のスペイン料理のBARのように、多くの人が行き交う、ガヤガヤと楽し気に賑わう場所にしたい」とのこと。

ここでは京都の食材で作られる独創的な料理と、こだわりのワインが提供されている。朝食もスパニッシュブッフェスタイルだ。残りの4軒に泊まった人も、ここのレストランまでわずかな距離を歩いて食べにくる仕組みだ。またその一方では、京料理や料理文化に触れてもらおうと、ディナーは特に、高級レストランからストリートフードまで、ゲストのリクエストに応じて店紹介も行っている。

最後に、耳慣れないホテル名、「ENSO ANGO」について聞いてみた。「旅を通じて真の自己を見出し、よりよい人生を歩むためのきっかけの場(安居=アンゴ)を提供することを目指す」という。もう一方のENSOは、「すべてを包含し、最大であり最小でもある無限の宇宙を示す禅の書画のひとつ「円相」を意味」という。つまりこれらの言葉を組み合わせて、人と人、行為と出来事が無限の可能性を秘める“完成形のない生きたホテル”を表すという深い意味のあるホテル名だ。

コンセプトを語ると、利用者の心にグッと迫るにはやや難解の印象があるが、実は、それぞれに徒歩で回れる距離にある5棟を行き来し、1軒ごとの異なる魅力を感じて欲しいという願いだ。来年はこうした宿があと6軒誕生予定というから、スタイリッシュな空間を行ったり来たり、ホッピングツアーが楽しみである。

因みに「FUYAⅠ」は、世界のラグジュアリーなブティックホテルが加盟するコンソーシアム「スモール・ラグジュアリー・ホテルズ・オブ・ザ・ワールド™」のメンバーとして登録されている。

画像提供:ENSO ANGO

■ホテル情報

ENSO ANGO
京都府京都市下京区富小路通高辻下る恵美須屋町187
TEL:075-746-3697(ホテル代表)
FAX:075-585-5630
https://ensoango.com/
https://www.slh.com/