お洒落な好きな自転車趣味人と自動車趣味人に響く2つのブランド

さてノスタルジックガレージの展示は、店主がヨーロッパの田舎町を巡りながら、そこで見つけたさまざまなテキスタイルを、帽子、ショップコート、バッグなどに落としこんでいた。

今回掘り出してきた素材には、お洒落なカシミア混のブランケット生地もあるが、自動車好きらしく、シートに使うインテリア生地とか、南フランスの海に面したテラスに使うサンシェード用の防水素材、さらには小麦を入れる穀物用のジュート袋など、ほんらいはファッション用に使われることがない、産業用資材を平然と使っているところがアイデアとなっている。

バッグ類はどれも超軽量で、クルマの助手席などに置いて使うのに手頃な大きさ。しかもこのバッグ類は、芯地に製法特許があり、どんな表地を使おうが袋の中身まで雨水などが浸透しない工夫がなされているそうだ。

バッグの製造特許を取得した青木文英オーナー。/Photo:Shuhei Toyama

いっぽうCCPといえば、筆者も最近発見して驚かされた、エプロンコートが代表アイテムのひとつ。これは割烹着にヒントを得てデザインされた、傑作雨具といえよう。

レインコートの多くは、前ボタン式の作りになっているが、これは背中側から、首と腕を入れて着る方法を採っている。前面にボタンホールなどないから、雨風に向かって自転車をこぐときに重宝。もちろん、普通に街着としても使えるシンプルなデザインである。

今回の展示会では、これにフードを加えた新作も披露されていた。

スポーツ用の機能素材は、生地の最低生産ロット量が高いため、小さな規模のメーカーではなかなか使いきれないもの。しかしCCPは、少ロットで色も性能も良い機能性素材を見事に見つけ出して、リーズナブル価格で提供しているところに、いつも感心してしまう。

その代表といえるのが、ほぼレサ・パンツ、であろう。これは自転車レースなどで競技者がはく、レーサーショーツの股下丈を長くしてトラウザーズにしたもの。全方向ストレッチが効いているために、細みながら着用時のストレスがなく、しかも1年の大半を快適にはける素材を選んでいる。

斬新なカッティングの、ほぼレサ・パンツは着用感サイコー。/Photo:Shuhei Toyama

このふたつのブランドに共通しているのは、猫の目のように変わる流行に媚びることなく、面白い素材を独自の視点で探しだし、それを作り手が納得のいく形で生かしながら、品質と価格のバランスが取れた形で顧客に提供しているところである。

そのために、安易にセールはしないし、卸先も厳選しているようだ。

決して大きくない商売だから、難しい面もさまざまあるだろうが、でも彼らは、自主独立の洋服屋として守るべき一線を死守しているのである。

最近は、こういう創り手のプライドを感じるブランドを見つけて、ひとりさり気なく着ている人を、格好いいな、と筆者は感じるのであります。

Photo:Shuhei Toyama