夏のパリ庭園散策のすすめ!パレ・ロワイヤル庭園とリュクサンブール庭園

夏季には花園に一変するパレ・ロワイヤルの中庭。/Photo:Ayako Goto

最初は中心地のパレ・ロワイヤル庭園へ。ルーヴル美術館に隣接し、オペラ地区にあるパレ・ロワイヤルはコの字型になった美しい回廊になっているのだが、注目したいのは回廊と回廊を挟む庭園スペースである。夏季の間はそこが見違えるような花園に変身するので、他の季節とは全く様相を異にする。薔薇やダリアなどが植栽され、同じ花がかたまって咲く様子はなかなか見事なのである。

芝生のグリーンに映える白いたくさんのダリア。/Photo:Ayako Goto

パリではお花屋さんがことのほか魅力的だが、お花屋さんの花とは違って、太陽のもとで咲く花の力強さを呈し、見ていて元気をもらえる。

回廊側の並木は木陰を作っていて、光と影のコントラストの強さがいっそう夏を感じさせ、その木陰を散策する人もちらほら見かける。中心地でありながら街の喧騒が一切聞こえないので、とても静かである。

木陰を作る並木道。写真右手は回廊になっていてショッピング街。/Photo:Ayako Goto

花園に入って行くには木戸を押す。よくパリの辻公園にあるようなスタイルだ。ベンチも置いてあるのでひと休みすることもでき、また、噴水のそばの椅子に座って日光浴を楽しむ人もいて、人それぞれの過ごし方が夏のリズムを感じさせてくれ、パリならではの夏を肌で感じられる。

中庭にある噴水は水しぶきを上げて見た目の涼しさを誘う。ルイ14世が子供の時にここで遊んで落ちて溺れかかったという。/Photo:Ayako Goto

次は左岸にあるリュクサンブール庭園へ。スペース的にはここは広大(約22ヘクタール、ちなみに日比谷公園は16ヘクタール)なので、一周するとずいぶんと時間がかかる。散策に訪れる場合、一周しなくてもリュクサンブール庭園の魅力は十分感じられると思うけれど、ここの庭園の良さを知りたかったらぐるっと回って見たほうがいい。

どのコーナー、というかどこの場所も広々としていて、大きな木々が生い茂っていたり、草花が美しく植栽されていたり、子供が遊べるところもあったり、テニスコートもあり、時には野外コンサートやオペラも上演され、椅子やベンチもたくさん置かれていて、気持ちよく過ごせるようになっているところが素晴らしいと思う。

西側の門から入って行くと、大きく育ったマロニエの並木道がとっても素敵だ。すぐに感じるのは空気感が違うこと。右に曲がると、芝生に日差しが差し込んで明るい空間が広がっている。おしゃべりする人、日光浴する人たちがまったりとした時間を過ごしている。木陰でいつも目にするのは読書する人だ。戸外での読書は実に気持ち良さそうで、見ていてもいい光景だなと思う。こんな時日本ではどうかなとふと考えるのだけれど、どうでしょうか、あまり見かけませんね。

プラタナスの並木道をまっすぐ進むと、短い階段がついている。階段の手前には、歴史上のフランスの王妃などの像が、下の庭園とを区切るようなかたちでずらりと並んでいる。白い石の像なのであまり目立たないが、1点ずつ見ていくとなかなか興味深い。

階段を降りると、目の前は左右に大きく広がった花壇で、それはそれは見事に花が咲き誇っている。花々の取り合わせ方、色の組み合わせ方、草花の高低のつけ方など、実に計算されていて、どこから見ても非の打ち所なく美しい。夏の間はいつ行っても期待を裏切らず見事な咲きっぷりなのである。余程手入れが良いのだろう。それにしてもいつ手入れを行うのだろうか? 庭園は無休だし、夏季の開門は7時半ごろ、閉門は21時半ごろだから、その間の時間に行われているのだろうか。

この花壇の隣(庭園の北側)にある建物が、リュクサンブール宮殿で、今は元老院(上院)となっていて、庭園の管理は元老院が行っている。宮殿は、アンリ4世の王妃フィレンツェ出身のマリー・ドゥ・メディシスの望郷の念を慰めるために建立され、庭園は宮殿に付随するものとして造園されたものである。

前述のパレ・ロワイヤルは、時代的にはリュクサンブール宮殿より少し後に、リシュリュー枢機卿が建て、枢機卿の死後、ルイ13世に譲られ、王妃が息子(のちのルイ14世)と移り住んだところである。子供時代のルイ14世が、ここの噴水で遊んでいた時に落ちて溺れかかったことがあると聞いたことがある。

歴史的な話やエピソードを頭の中に入れながら、現在も特に夏に、一段と美しい庭園となって公開されているところを散策するのも、一興ではないでしょうか?

Photo:Ayako Goto