ステッキが、今、素敵に見える!?

モード逍遥#100

地下鉄銀座線の田原町で降りてから、展示会場へ向かうことにした。

銀座線上野駅の地下道は、やたら天井が低い。身長が170cmに満たない筆者でも、気を付けないと頭がぶつかりそうになる場所があるのだ。

銀座線の上野から浅草間の開通は1927年(昭和2年)。日本最古の地下鉄である。当時の日本男性の身長は約160cmぐらいだから、この天井高で充分間に合ったのであろう。

1920から30年代といえば、エノケンの流行歌『洒落男』で有名なモボ・モガの全盛期。身長は低いけれど、この頃の紳士は、きちんとした三つ揃いのスーツにソフト帽をかぶり、手にはステッキを持っていた。今よりずっとお洒落が本格な時代だったのである。

なぜこんな話を始めたのかというと、田原町で開催される展示会の中身は、現代社会で廃れたかに見えて、じつは最新のお洒落アイテムに駆け登るかもしれないステッキの新ブランドのお披露目だったからである。