いくつもの危機を乗り越え!?『ル・ゴロワ フラノ』がついにオープン!(後編)

さらに、二人でイタリアへ料理修業に行けという指令。2017年中にオープンする予定だったが、建築にも遅れが出ていた時期だったこともあり、二人は昨年5月に2週間イタリア修業を決行した。ナポリピッツァの店をめぐり、ローマやベネツィア、パルマ、ミラノなどで郷土料理を食べてまわった。

そして帰国後、シェフは毎日のようにパスタを作り、イタリア各地の地方料理を繰り返し試作した。とはいえ40年近くフレンチを作り続けてきた料理人、どうしてもフレンチよりになってしまうのは致し方ない。倉本氏が、毎日のように料理をチェックするのだが、なかなか合格点をもらえない。あっという間に年はあけ、3月には東京で記者発表があり、5月28日のオープンが公表された。

そして5月28日、初夏を思わせるさわやかな日差しの中、「ル・ゴロワ フラノ」はオープンした。場所は新富良野プリンスホテルの敷地内。かつてゴルフコースだった白樺林の中に、白い壁の一軒家。サプライズは、世界的左官職人・挟土秀平氏によるハリネズミを思わせるような不思議な鉄のオブジェ。レストランの入口の壁面と、庭の中心に据えられている。

店内は、ほっこりした土壁に包まれた空間。大きくとったガラス窓いっぱいに広がる緑と、その向こうに馬たちが無心に遊んでいる姿が望める。これこそは大塚夫妻が北海道移転を決めた理由となった“愛馬たち”。ここは日本?フランス?それともイタリア? 個室が14席、メインフロアが17席、カウンター4席。どの席からもそれぞれに見える外の風景が違うのも楽しい。

メニューを見て、あれれ?と思ったのがイタリア語表記。「富良野産ホワイトアスパラガスの冷製ズッパ(=スープ)! しかしひと口味わってすぐに思った。ズッパでもスープでも名前なんかどうでもいい。大塚シェフの料理は変わらずというより、さらにおいしくなっている。

実はシェフも驚いたというのが朝収穫してその日のうちに出すホワイトアスパラガス。甘さも柔らかさも格段にレベルアップしているのだ! フォワグラのソテーに士別市産イチゴ、同じく士別市産イチゴのパンナコッタも、イチゴのおいしさが際立っている。

産地に近いほど素材はおいしい。それは当たり前のことだが、ここにはその素材の扱いを知り尽くした大塚シェフがいる。窓の外には馬たちが遊び、マダムの笑顔も変わらない。東京の店も懐かしく思い出すとけれど、新しい「ル・ゴロワ フラノ」は別世界。わざわざここまで来る価値があると思う。

帰り際に厨房の中をのぞいたら、ちゃんと薪窯が出番を待っている。慣れてきたら、肉の仕上げやピッツァの腕前も披露してくれるとか! そういえば、ここはイタリアンですものね!

薪窯は今、肉を焼くために準備中。今後はピッツァも登場予定。/Photo:Muneaki Maeda

Photo:Muneaki Maeda

■店舗情報

「ル・ゴロワ フラノ」
TEL:0167-22-1123
昼・夜とも予約制(月・火曜休)

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