NASAと共に火星の家を作る、気鋭の建築集団(前編)

コンペで勝ってからは実際NASAを訪れ、3日間のインテンスなワークショップを受けた。現在プランはより汎用性のある、シンプルなものに方向づけられ、週に1回は電話やビデオ会議でNASAのスペシャリストたちと共にプロジェクトを進行している。

Photo:Akiko Ichikawa

まさに人類の歴史に残る壮大なスケールのプロジェクトだが、建築家として、そもそも宇宙への興味はどこから湧き出てきたのだろうか? 英語でいう宇宙は“Space”、空間と同じスペルというのも奇遇だ。

「昼間は店舗空間の設計とか現実的なことをやっているけど、夜の時間はだいたいコンペや仮想のプロジェクトに取り組んでいる。昼間の仕事はリミットが多く、初心を忘れそうになることもある。でも夜はより自分たちのメッセージを強く打ち出せたり、クリエーティブにイマジネーションを広げたりができる。もっともっと遠くに行きたい、それが宇宙につながっていった(S)」。

「建築家としてはいつもフロンティアを追い求めているから、宇宙にたどり着くのは自然な流れ。アパートでもオフィスでも、ビルでもいいんだけどその境界線をどんどん拡大していく。自分のアイディアを現実のものにし、かつて存在しないものを作りたいと思っている(R)」。

Photo:Akiko Ichikawa

チャイナタウンの交差点に立つ雑居ビルにあるオフィス。角部屋からの夜の眺めはさながら宇宙船のコックピットのような感じかもしれない。500スクエアフィートの決して大きくない部屋から放たれる彼らの視線は、地球を超え、はるか銀河系へと向かう。

<後編>へ続く

NASAと共に火星の家を作る、気鋭の建築集団(後編)

Name: 曽野正之&オスタップ・ルダケヴィッチ
Occupation: 建築家
Location: チャイナタウン、マンハッタン
http://cloudsao.com/

Photographs by Akiko Ichikawa