近頃まれに見る面白さだった展示会『JAMMING2018』

場所は東京・浅草雷門。1959年築という元東和銀行の古びてはいるが味のある洋館風のライオン・ビルディングで、その最初の展示会『JAMMING2018』は行われていた。

築59年のライオンビル/Photo:Shuhei Toyama

会場に入ってみると驚いた。なんと知る人ぞ知るスペインの名品自転車ゼウスのヴィンテージ・ピストバイクが展示販売されているではないか。大昔、ツールドフランスでスペインのなんとかいうレーサーがこのゼウスに乗り大活躍して英雄になっていたなぁ、と懐かしんでいると、後ろから「遠山さん、お久しぶり」と、声をかけられた。

ゼウスのヴィンテージ・ピストバイク(茅ヶ崎サイクルボーイ)/Photo:Shuhei Toyama

振り向くと、このコラムで以前紹介したことのある(モード逍遥#49)、ノスタルジック・ガレージの青木さんだった。

「この集まりはね、普段展示会に出展しない人や、作り手の主旨にフィットしない店とは取引したくないような、ちょっと変わったと言うか、つまりは楽しみながら自分たちが使いたいものや着たいものしか作らないっていう人ばかりの展示会なんです。これをプロデュースした人を紹介しておきますよ」

青木さんの昔からの知り合いだという木島努さんは、こんな機能的で格好いい服があったのか、と筆者が勉強不足を恥じるほど、色あせないウエア類を長く作り続けている業界のベテランであった。

「ぼくらがCCPというブランドを立ち上げたときに作ったのが自転車用のウエアだったということもあって、この展示会には自転車つながりの人が多いです。それも裏原でピストバイクがブームになる以前から、自転車マニアだった連中だから、作るモノや考え方がしっかりしていると思います。どうぞ、好きに話を聞いて写真も自由に撮っていいですよ」と、取材の許可を戴いた。

ビル3層分のスペースに出展したブースを順にのぞいていくと、次第に興奮している自分に気がついた。近頃まれにみる面白い展示会だったのである。

そのすべてをお見せすることが出来ないのは残念だが、まずはその一端をご紹介しておこう。

いかがであろう。この展示会の良さは、自転車をライフスタイルの軸に据えたトライブの集まりだから、モノ作りの基盤にエコロジーやヘルス、さらにはエシカルといったものが自然に共有されていることであろう。

しかも作り手たちに共通しているのは、モノをただ売りさばくということに主眼を置くのでなく、モノを通じて生じるコンシュマーたちとのつながりを大切にしたいという意識があること。それが筆者への対応にもにじみでているのである。だからとても気持ち良くいろいろな話が聞けた。

初詣で浅草界隈の七福神巡りをした御利益か。改めてじっくり取材したい人や、こりゃ下手すると大化けしそうだと思えるブランドに出会えて、こりゃ春から縁起がいいや!

Photo:Shuhei Toyama