イイトコドリのパルコヤは、上野御徒町を変える!!

Photo:J.フロント リテイリング

11月4日、上野御徒町にパルコヤがオープンした。パルコでなくて、パルコヤである。

ファッションビルのパルコの一種には違いないのであるが、そのコンセプトは「ちょっと上の、おとなの、パルコ」。パルコヤは、そのコンセプトのために用意された新しい屋号だ。パルコは、現在日本全国で16店舗展開されているが、今回の上野店については、一館丸ごとパルコではなく、22階建ての複合ビルの1階から6階の中核商業施設としての出店になっている。パルコヤの屋号にはそうした意味合いも込められている。

パルコヤが入居している複合ビルの名前は、上野フロンティアタワーといい、上野御徒町エリアにひときわそびえたつ高層ビルである。パルコヤはその1階から6階だが、地下1階は松坂屋、7階から10階はTOHOシネマズ、11階から22階はオフィスになっている。この高層ビルは、上野御徒町エリアを大きく変える存在として期待されているが、すでに街の光景も変わっている。

Photo:J.フロント リテイリング

まず、待ち望まれていたこの地区のちゃんとした映画館がやっとできた。7階から10階のTOHOシネマズは最新設備を装備した8スクリーン&約1400席を擁する。この地区はもちろん、意外にも映画館の消えた秋葉原からも徒歩10分。ファミリー消費や三世代消費を狙うパルコヤにはこのシネコンは大きなアドバンテージだ。

そして、12階から22階のオフィス階もまたパルコヤにとっては大きな味方である。このタワーが立つ御徒町エリアは5路線が乗り入れる交通至便な場所でオフィスニーズが旺盛な場所。特にこのタワービルは銀座線上野広小路駅に直結している。アメ横の庶民的なイメージがついて回るこの地区を洗練されたものに大きく変えるだろうと期待されている。そして、このオフィス階で働くと想定される1000人のオフィスワーカーの消費が馬鹿にならないのは言うまでもない。

この上野フロンティアタワーを建てたのはJ.フロント リテイリングで、その傘下には大丸松坂屋、パルコという小売企業がある。今回のタワービルも、土地は松坂屋、構想立案は大丸、中核商業施設はパルコというわけで、グループのイイトコドリともいえる存在だ。

今年は、三越伊勢丹の大西洋・社長の解任劇が話題になるなど、苦境に立つ百貨店ビジネスが改めて浮き彫りになった年である。しかし、いち早く不動産の有効活用を強化し、デベロッパーへの転換を図っているJ.フロント リテイリングは注目される存在だ。なかでも店舗を核にエリアの活性化を図る「アーバンドミナント戦略」は、すでに今年4月オープンのGINZA SIXで大成功をおさめつつあるが、今回の上野フロンティアタワーでも同様の考え方で戦略が進められた。

この場所にはもともと松坂屋上野店南館があった。その名残りが、このタワービルの地下1階だ。本館と連結しているが、婦人靴売り場になっている。上野界隈の街歩きを楽しむための靴売り場である。そのための、観光案内所「上野が、すき。ステーション」も併設されている。

周知のように、上野駅の北側は、上野恩賜公園(通称上野の森)で、東京23区で最大のアートと自然のエリアだ。昨年世界遺産に認定された国立西洋美術館をはじめ、美術館、博物館、動物園がひしめき合っており、さらにコンサート会場の東京文化会館まである。加えて、不忍池を始めとした自然にも恵まれている。たしかに街歩きを楽しむのには最高の場所である。

この上野駅北側と先ほどから述べている駅南側の上野御徒町とのギャップをどう埋めるかが、大きな課題になっていたのである。そのまさに端緒が今回の上野フロンティアタワーなのである。

Photo:Byron編集部

さて、肝心のパルコヤであるが、掲げるイメージは「友だちを誘いたくなる、ちょっとおしゃれな おとなのたまり場」。ターゲットは、平日については、銀座、丸の内、日本橋に流出していた居住者とオフィスワーカーで、休日は来街者のファミリー消費、三世代消費そしてインバウンド消費を狙う。

テナントのラインナップを見ると、いたずらに洗練に走ることもなく、上野御徒町エリアのゆかりの企業11社(全体の約2割)を取り込むなど、地元とのマッチングもよく考えられている。

例えば、パルコヤの1階は予約が難しいことで知られる湯島の日本料理店「くろぎ」の新業態「厨(くりや)otonaくろぎ」。朝のコーヒーに始まり、昼は本店の弁当、夜は居酒屋、深夜はBARという具合ですでに大人気になっている。

飲食では、「うえの やぶそば」(6階)、焼肉の「陽山道(やんさんどう)」(6階)など地元の名店が出店。またファッションでは台東区に本店を構えるエシカルなバッグブランド「マザーハウス」(3階)、上野発祥の帽子ブランド「CA4LA」(1階)が注目だ。イースト東京発祥の人気ブランド「PORTER」は上野での初出店に際して「KURA CHIKA by PORTER」(2階)という新店名で出店するなど地元色がよく出ている。

Photo:J.フロント リテイリング

こう書いてくると、パルコヤは、上野駅北側の文化&自然、上野フロンティアタワーのTOHOシネマズとオフィス階からイイトコドリをして生まれた商業施設で、成功は約束されているように見える。

もう、店を詰め込んで目一杯モノを売ろうというファッションビルの時代は終わって、このパルコヤのように、街に上手く溶け込んだ商業施設が、都心でも成功するのだろう。近年、イースト東京に脚光が集まりつつあるが、その中心的存在である上野御徒町エリアを、パルコヤは活性化するのではないだろうか。

業界の固定概念をがらっと変える画期的な戦略。かつては実現不可能に思えた、皆の「欲しい!」を集約した“イイトコドリ”なモノや場所が台頭しはじめている。

そんな“イイトコドリ”、クルマで言うと……

280馬力。7速DSG。四駆。先進テクノロジー。広さ。ユニークなデザイン。
そんな“イイトコドリ”なクルマ、それがArteon(アルテオン)。
そろそろクルマ選びも、こだわりや見栄に固執した、一点豪華主義みたいなのはやめません?
これからはこういうほうがカッコいい!!
フォルクスワーゲンのいいところ、ぜんぶ。
The New Arteon