庭劇団ペニノはノスタルジーで煮染めた欲望と喪失を描き出す。

アートうたかたの記#18

元・精神科医という異色のキャリアを持つ劇作家・演出家タニノクロウ。現代人の心に巣食う暗渠を見事な筆致で描きだす作家の1人である。
タニノの妄想世界を、異様なまでに精緻に作り込んだ舞台空間で上演する「庭劇団ペニノ」は、2000年代より常に目の離せない存在だった。

敬愛する名優で、「日本一小さなマジシャン」でもあるマメ山田がこの劇団の舞台に登場することでも知られ、それが抗えない魅力でもある。むしろタニノは常にマメさんという“ミューズ”を念頭に戯曲を書いているのだろう。