3年後、インフルエンサーはありやなしや!?

このブランドのスタート当初は、なかなか好調な売り上げで、この「モニター」システムが老舗メーカーの脅威になり始めた。さすがにプライドが許さないのか、この「モニター」システムを導入するメーカーはいなかった。そのうちに、このブランドも失速して、いつの間にか消えてしまった。

なんで、消えたのだろうか。要するに、「流行り」というヤツである。この「流行り」というのがないと、二進も三進もいかないのが、ファッション業界なのである。淡々と洋服作ってもこの業界はダメなのである。最近だともう消えかかっているが、「ノームコア」だとか「シーナウバイナウ」だとか、なんか新鮮味のあることを考え付く奴がいて、2年も持てば上出来なのだ。それが長続きしなかったからと言って、それを責める奴なんか、誰もいないし、そんな奴は業界にとっては罰当たりなのである。全くもって情けないことおびただしい。

最近、ファッション業界に登場した「インスタグラマー」とか「インフルエンサー」とか「ユーチューバー」と呼ばれる輩が幅を利かせている。しかも、20歳代で年収5億円だとか噂されるものだから、こうした連中がファッションショーで「俺より前の席に座った」とかなんとか紙やデジタルの編集者は切歯扼腕している。こうした輩も、前述した「モニター」が変容したものだと私は思っている。

あらゆる経験や権威をぶち壊して、言ってみればファッション民主主義。私が思うことに、皆さんついてきなさい、という具合なのだ。なんか、民主主義という金科玉条が、終わってみれば、ドナルド・トランプ大統領誕生や英国EU離脱なんて言うとんでもない投票結果になってしまう世の中に似ている。

民主主義=多数決の魔術である。これと同じようなもんじゃないのか。フォロアーが100万人もいるんだから、私の言うことを信じなさい、と言われて、「いいね」を押してしまう人々や、これについていく=それを買ってしまう人々がいるのだから、世の中嫌になっちゃうね。

古代ローマの人々が「パンとサーカス」さえ与えておけば、皇帝の思いのままだったように、現代人はインフルエンサーとユーチューバーの思いのままじゃないのかね。まあ、ファッションの世界で「ねえ、ボクの言う通り売れたでしょう」とやっているうちはケガもしないが、これがミサイル打ち合うようになると、この精神構造は危ないな。

しかし、これもまたその場限りの「流行りもの」と考えれば、そんなにいきり立つこともない。どういう風にいなくなるのかはわからないが、いずれ「こんな奴らの、言うこと聞いてたなんて、俺たちって、なに考えていたんだろう」という感じになるんじゃないんだろうか。あいつらが、天下とって、紙もデジタルもいわゆる旧マスコミが壊滅して、新マスコミが旗を立てる!? なんてなかなか考えづらいのですな。

こういう新奇なるものの大半が簡単に無くなって来た歴史を知っている旧マスコミのおじさんたちは。ま、高みの見物とシャレこみましょうか(笑)。

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