手つかずの自然とラグジュアリー、お伽話のようなモンテネグロのアマン

宿泊者の欲望#75

スベティ ステファンのヴィラミロチャー、美しいプライベートビーチが目の前。/Photo:Aman

モンテネグロはヨーロッパ南東部、アドリア海に面するバルカン半島にあり、首都をポドゴリツァにおく共和制国家である。モンテネグロには「黒い山」の意味があり、セルビア・モンテネグロから2006年6月3日に独立。「黒」と呼ぶほど深い緑が豊かな大地にたたずむ貴族の館と、ヨーロッパで随一といわれる透明度の高い美しい海に浮かぶ島を利用して、アマンが長い年月をかけて造り上げた御伽噺のようなリゾートがある。

モンテネグロの中でも、とびきり美しい海岸線があるスベティ ステファンに、「アマン スベティ ステファン」がオープンしたのが2011年8月。リゾート自体は2か所に分かれ、小高い山のふもとにあるパラッツォはヴィラとして、もうひとつは海の中道を歩いて渡る一つの小さな島全体がアマンとなった。どちらに滞在しても往来できるよう、散策路は整備され、海沿いやオリーブの林を抜けて散策するにちょうどいい距離にある。

アイランドとヴィラの間にはオリーブ林の中に「ビーチカフェ」が。/Photo:Aman

陸側にあるヴィラは、“ヴィラミロチャー”、3箇所あるアマンのプライベートビーチの中で主たる“キングズビーチ”に面して建っている。15世紀の瀟洒なヴィラは、内装がリニューアルされアマンらしいシンプルでモダンな客室になっている。高級感がただよう静謐な客室が8室揃い、ビーチに面した庭の藤棚の下にはテラスレストランがあり、海風に包まれる朝、モンテネグロ流の朝食をゆったりと取りながら過ごしていると夢のような時が流れていく。

ヴィラの中の客室の一つ「クイーン マリア」は、かつてクイーン マリアが使用した部屋。/Photo:Aman

もうひとつのアマンは、様々な歴史を残す孤島“スベティ ステファン”を、島ごとリゾートにした通称“アイランド”である。ヴィラからは、どこにも立ち寄らずに歩けば15分で着く距離なのだが、オリーブ林の中のレストランやカフェも素敵で、ついつい…。アイランドに入るには、海の中道の入り口で厳しくチェックされ、ゲストかスタッフ以外はセキュリティに制止され、島には立ち入れない。

ヴィラの前のビーチ沿いを歩いてもう一つのアマン、アイランドへ。/Photo:Aman

そのアイランド内には、タイムスリップしたような家並みが昔のままに残されている。咲き乱れる花、細い石畳の小径、石造りの家並み、古いチャペル、昔ながらの井戸など、まるで御伽噺の舞台のような島だ。15世紀には、12家族のための要塞であったと文献には記され、その後は400人の住む漁村として繁栄。だが、20世紀前半になると島は衰退し、幾度かの栄枯盛衰の中で、1960年頃にはヨーロッパのセレブリティが滞在する評判のホテルになった歴史が残る。

プライベートプールのついた「スベティ ステファン スイート」。/Photo:Aman

その後は、映画スターや有名人の別荘として使われた頃もあるというが、2007年、やっとアマンが島ごとリゾートとする権利を得たのである。貴族の邸宅だったパラッツォも、この小さなアイランドも、それぞれに愛おしいほど美しいアマンとして存在している。

■ホテル情報

Aman Sveti Stefan
Sveti Stefan 85315 Monteneguro
Tel: (382) 33-420-000 Fax:(382) 33-420-222
www.aman.com

画像提供:Aman