ランズエンドのスーパーTとゴム長靴が幸福な休日を助長する!?

余暇のアクティヴィティーにはゴム長靴と厚手のTシャツが最高のセット/Photo:Shuhei Toyama

ゴム長靴で休日を過ごす楽しさを教えてくれたのは、フォックス・アンブレラズ ジャパンの小石原耕作さんだった。彼は英国の服やクルマだけでなく、カントリーライフスタイルにも詳しい方。

そのため青山骨董通りの店でゴム長靴を勧められたときは、てっきり釣りやハンティングにおけるゴム長靴の効用を講義されると思った。ところがユーモア溢れるこの紳士は、「ゴム長はね、一足あると何かと重宝するんです。ぼくなんか、生ゴミを出しに行くときにも愛用してますから(笑)」と、いってのけたのである。

なるほど彼の教えてくれた通り、ゴム長靴は年末の大掃除、洗車、日曜大工、雪かき、台風時の通勤など、何かにつけて活躍の場は多い。さらに郊外に草庵などを持つ人なら、必須アイテムとなるはずだ。

筆者のゴム長靴は英国製で、ヨットや狩猟に使用されるタイプ。深長型の細身で、足首部分を絞ってあるから足にフィットして歩きやすい。田植えで泥の深みにはまっても、足だけがスポンと抜ける心配がない。

だが日本の住生活では、着脱に不便を感じることもたまにある。その点、築地の魚河岸のお兄さんご用達の黒いゴム製の実用品は、着脱も簡単だし、デザインもなかなかイカスな、と最近に気になっているところである。

いっぽう少し厚手の頑強なTシャツについては、この春夏からランズエンドのスーパーTが再販されたので、さっそく入手して愛用している。

筆者がランズエンドのメイルオーダーを始めたのは1980年代だった。米国からカタログを取り寄せ、当時たいへんに複雑な手続きが必要だった個人輸入制度を活用してここの名物であった18オンスのキャンバスを使用したショルダーバッグ(商品名オリジナル・アタッシェ)や鹿の子編みのポロシャツを入手していたものだ。

そんなとき子供たち用のスーパーTを試みにメイルオーダーしてみた。子供というのはときに常識を超えたヤンチャな遊びを次々に考え出すもの。そのため彼らの着るTシャツはすぐ酷使に耐え兼ねて、ネックがヨレヨレになったり、色が褪せてしまうのだが、このスーパーTは一向にヤレる気配がない。

子供は成長が早いので問題はないのが、困るのは大人用のスーパーTである。丈夫すぎて捨て時が判らないのである。

「いったい何なんだ、このTシャツのクオリティは!」と、当時呆れ返ったと同時に、職業柄いつかその製法について取材してみたいと思ったものであった。

ランズエンドによると、”重要なのは胸のプリントじゃない”というコンセプトを基に、スーパーTを開発したのは1985年の12月だったという。

筆者も覚えているが、当時のアメリカには大量生産された安価なプリントTシャツばかりが出まわっていて、上質なカリフォルニアコットンを使用していた、かっての『プライド オブ アメリカ』を感じさせるTシャツは、放出品屋で1960年代以前に製造されたデッドストックを探すしかなかった。

おそらくランズエンドのスタッフも思いは同じだったのだろう。彼らは、顔の汗も拭ける適度な着丈を保持しながら、頑強な縫製で、一日中遊んだ後でも洗濯すれば蘇るしっかりした素材を持った、昔ながらのアメリカンTシャツを自分たちの手で開発しようと決心したのだという。

まずはコムドコットン・リングスパン糸でやや厚手に編み上げたジャージー生地(5.3オンス)を特注。さらにネックから肩先へかけて綿テープで補強。最後に縮みや色褪せや汚れ防止をする特殊仕上げを施したのだという。

なるほど、あのスーパー・ヘビーデューティなTシャツのもつしなやかさと丈夫さの秘密は素材と縫製と仕上げだったのか、と筆者積年の疑問は氷解したわけである。

ちなみに再販されたスーパーTは、嬉しいことにスレンダーな我々の体型に合うジャパンフィットに進化していた。

Photo:Shuhei Toyama

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