【銀座中毒者100人×100点】あらゆるものをピカピカに磨く老舗喫煙具の布巾

「つやふきん」に出会ったのは7、8年前のこと。明治に創業した銀座の老舗を調査して歩いた際、喫煙具の専門店・佐々木商店で見つけたのがこれ。明治元年(1868)の創業時から販売されているパイプ磨き用の布巾だが、パイプ以外の木製品でも真鍮でも何でも磨ける。試しに家のテーブルを磨いてみたらピカピカになった。発売以来不変というレトロモダンなパッケージが何とも言えず味わい深い。

銀座の魅力とは、「つやふきん」のような歴史のある逸品がさりげなく売られているところ。
この時の調査の際に知ったのだけれど、銀座は実に「日本で初めて」が多い。資生堂も日本で初めての洋風調剤薬局だが、日本で初めての「鞄」「ステッキ」「とんかつ」「あんみつ」「あんぱん」「フルーツポンチ」「ビヤホール」などなど、枚挙に暇がない。
こんなに懐の深い街は、他にはないのではないだろうか。

佐々木商店の「つやふきん」

一見普通の黄色いタオルに見えるが、カイガラムシからとった蝋をしみ込ませた艶出し布。明治の創業当初は木綿の手ぬぐいだったが、戦後以降柔らかく・拭きやすい木綿タオルに変更した。これでパイプを磨くと得も言われぬ表情が出る。木の製品は何でも対応。寺や将棋愛好家から問い合わせが来るようだ。金属には錆止めになるという。ちなみに洗うと蝋が落ちてしまうので、汚れが気になるまで使い込んだら、新品を購入しよう。1080円(税込み)、通販可能。

店舗情報

佐々木商店

住所:東京都中央区銀座1-8-17
電話:03-3561-3554
時間:10:30~18:30
定休日:日・祝日

樋口昌樹
花椿編集長

1961年生まれ。1983年慶應義塾大学経済学部卒業。同年、株式会社資生堂入社。1992年より企業文化部にて資生堂ギャラリーのキュレーション、メセナ支援の窓口ほか多岐にわたる業務を担当。2015年4月より『花椿』の編集長を務める。美術評論家連盟会員、女子美術大学非常勤講師。

Text : Eri Koizumi