新国立劇場で『ルチア』歌う美人ソプラノのペレチャッコがオーラとフェロモンを発散

愛し合うエドガルドとルチア/Photo:撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

脇を固める2人、ルチアの恋人エドガルド役のイスマエル・ジョルディ(テノール)、ルチアの兄エンリーコ役のアルトゥール・ルチンスキー(バリトン)も素晴らしかった。とくにルチンスキーはエンリーコとしてはトップクラスだろう。

エドガルドとルチアの兄エンリーコは宿敵同士/Photo:撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

ジャンパオロ・ビザンティ指揮の東京フィルがベルカント・オペラ伴奏のお手本のような演奏。伴奏もピタリと決めていたが抉りのきいた管楽器の強奏など痛快。特筆したいのは「狂乱の場」でふつうはフルートが伴奏するところを初版通りグラスハーモニカ(サシャ・レッケルト独奏)で伴奏したこと。ドニゼッティのアイデア通りさらに夢幻性が高まり素晴らしい効果を上げていた。

今回はモンテカルロ歌劇場との共同制作だったが、演出は同劇場総監督のジャン=ルイ・グリンダ。ルチアを従来の深窓の令嬢ではなく、男装の麗人的な強さもある女性として描いているのが新鮮だった。また第1幕冒頭のスコットランドの荒波が打ち寄せる岸壁のセット、狂乱の場のちょっとグロテスクな演出など見どころ満載だ。

「狂乱の場」。発狂したルチアは初夜に新郎を惨殺し踊り歌う/Photo:撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場

早くも新国立劇場の今年のベスト公演と言っていい出来栄えだ。残券稀少だと聞くが何としても聴きたい公演である。18日(土)14時、20日(月・祝)14時、23日(木)14時、26日(日)14時に残りの公演がある。

Photo:撮影:寺司正彦 提供:新国立劇場