ラクジュアリーな消耗品!?

ファッションにおける消耗品とは、毎日のように着て、汚れたり痛んだりしたら、次の新品を買い足すようなアイテムを指す。たとえばTシャツ、スウェットシャツ、コットンのショーツやチノーズといった日常着がその代表であろう。

最近は家で仕事をすることが増え、普通の生活の中で毎日気軽に着られる、つまり消耗品的な服を多く愛用するようになってきた。

だが毎日スーツを着て仕事をしていた時は、少しでもその時間を快適に過ごすために、上質な素材のドレスシャツや身体にフィットしたオーダースーツを買い求めていたものである。

そのような経験をしてきたものだから、デイリーユースなTシャツやポロシャツ、あるいはニットのカーディガンといった消耗品にも、ちょっと贅沢にこだわりを持ちたいと思ったわけである。

ところがドレスシャツならば、シーアイランドコットン、ギザ45、トルファン綿、スビンコットンなど、さまざまな超長綿が思うさま選べるのに、Tシャツなどの日常着におけるラクジュアリー素材の選択肢はまことに少ないことに気がついた。

かといって海外ラクジュアリーブランドのご威光を笠にしたTシャツなどを、ご近所の散歩で着る気にはなれない。

そこで注目したのは以前コラムで紹介したフィルメランジェ(モード逍遥#5)や、その昔アトリエ兼ショップ(元麻布にあったが今は店じまいした)で少量だけ売られていたビービーエーアソシエーションというブランドの製品である。

なにしろここのコットン製品ときたら、世界中から優れたロングステープルコットンの最上級品を選りすぐるだけでなく、そのなかでも希少なオーガニックものを惜しみなく使用しているので、肌ざわり、風合い、着心地が抜群にいいのである。

しかしラクジュアリーな素材はともするとデリケートさも併せ持っているもの。そのため筆者がここのTシャツなどを洗濯する場合は、最初の2~3回は手洗い。その後、生地が水通しに慣れたことを確認してから、ネットに入れて電気洗濯機にかけている。

また使用する洗剤も、上質なコットンだけがもつ天然の風合いを保つために、蛍光剤や界面活性剤が含まれていない石鹸洗剤を使うことにしている。

これらの愛用品は、筆者にとって、まさにラクジュアリーな消耗品であるのだが、困ったことに通常の消耗品のように使い捨てができない。というか、捨てどころの時期が判りにくいのである。

というのは、上質な綿で作られているがゆえに、着こむほどに身体に馴染み、少々の傷みなども逆に味になってしまうからだ。

いわば擦り切れるほど愛用したい、真のラクジュアリーな日常着といえよう。

さて最後に、今季筆者が購入したコットン&リネン混紡の畦編みカーディガンを使ったコーディネート例を記しておこう。

まだ肌寒い春先は、このカーディガンに、以前購入したビービーエーアソシエーションのオーガニック超長綿(スビンゴールド)のボタンダウンシャツ。ボトムは8ウエール(1インチ間に8本の畝が入った)太畝コーデュロイ・トラウザーズ。

まだ肌寒い春先は、カーディガンにボタンダウンシャツ、コーデュロイパンツを合わせたい/Photo:Shuhei Toyama

5月のゴールデンウィークあたりならカーディガンに白いTシャツ、白いコットンショーツ、白いセーラーハットという爽やかな着こなしで嫁の実家がある茅ヶ崎あたりを散歩するのも気持ち良いだろう。また同時期の東京でなら、インナーに着た白いTシャツの代わりに、ハワイアンシャツの柄をTシャツにプリントしたものを合わせるのも面白い。

5月にはインナーをTシャツに替えて爽やかに着こなす/Photo:Shuhei Toyama

最近はグッチの影響で、具象柄が新鮮に思える。そんなトレンドを、日常にさり気なく取り入れるのも都市で生活する者ならではの楽しみといえるはずだ。

コーディネート写真のTシャツは以前購入したものなのだけれど、今季はこんな新作柄のTシャツが出ている。

2017SSのフィルメランジェのプリントTシャツ。グッチの興隆ではっきりした柄が新鮮に映る/Photo:Shuhei Toyama

Photo:Shuhei Toyama