休みを取った翌日の対応、あなたは大丈夫ですか!?

Illustration:Nao Sakamoto

心のふきだし#56

有給を取った翌日に「なんとなく上司や先輩の機嫌が悪いな」と思うようなことはないだろうか?そんなときにあなたは「有給を使ったのだから、いちいち機嫌を悪くしないでほしい」と思うかもしれない。

でも機嫌が悪いのは「有給を取ったから」ではなく「休んだ翌日のあなたの態度」が問題なのかもしれない。

通常は企業に勤めていると、働いた年数によって年間の有給の日数は増えていく。働く人たちにとって当然の権利である。中には有給はあるけれど、まったく取れない、取れる雰囲気ではない、という会社もあるかもしれないが、一方で取りやすい会社もたくさんある。

そうは言っても、多くの人はいつでも好きなように取るわけではなく、自分の仕事の状況を見つつ取ることになる。平日にどうしても用事が出来たり、子供がいれば子供の用で休むこともあるだろう。そして今のような寒い時期は突然風邪を引くかもしれない。予期せぬ形で有給を使うこともある。

そうした場合の休みの翌日、いったい何が問題なの?と言われるかもしれない。もっと言えば前から決まっている休みを取る場合、事前に上司や先輩、席が近い人、一緒に仕事をしている人に一言伝えて休んでいるだろうか?何も言わないまま届けだけ出して休んだりしていないだろうか?

以前の会社で、取引先に提出する案件で部下と準備をしていた。期限が迫っていたので毎日詰めてやることがたくさんある。その日も打ち合わせをして普通に別れたのに、次の日彼は会社を休んでいた。「あれ。風邪でも引いたのかな」と思ったけれどそうでもないらしい。同じ部署の社員に聞いたら「届けは出ていましたよ」とのこと。

「前から決まっていた用事があり休むことにした。思いがけず仕事が忙しくなって、なんとなく上司には言いづらい。まあいいや、届けは出しているから」という理由だったのだろうか?

そしてその翌日、こちらに何か一言あるわけでもなく普通に打ち合わせに出ていた。こちらも「休むなら事前に一言断りなさいよ。あるいは事前に言わなかったとしても出てきて何か一言ないの」とは問い詰めなかった。でも心の中がモヤっとしてしまった。

休んだ本人は、この時期に休んだことを悪びれているから、何もそのことを口に出せないのだろう。そして「有給は権利なのだから」とも思い、開き直った態度になってしまっているのかもしれない。

上司だから言いにくい、とも限らない。同僚に対しても同じようなことが起こる。ずっと以前、かなり忙しい時期に同じチームの人間が風邪で急な休みを取った。すると当然のようにこちらに仕事のしわ寄せがきた。ただでさえ、やらなければならないことが山のようにあるのに、休んだ人の仕事までやることになって、こちらはたまったものではない。仕事はやってもやっても終わらない。

しかも本人は風邪が悪化して4~5日は休むことになるらしかった。そのことは人づてに聞いた。仕事量のあまりの多さにイライラがマックスになってしまった。上司は毎日早く帰るので当然私の状況には気付かない。

1週間ほどしてやっと本人が出社した。当然私に一番にお詫びをしてくるだろうと思っていたが何もない。上司からも周りからも「大丈夫?無理しないでね」という気遣いのオンパレードだ。人は自分に関わらなければ、優しい言葉をかけられるものなのだ、と思った。ひとりムッとしていると怒っている自分の方がバツが悪くなってせつなくなった。

休んだ本人は、迷惑をかけたことを恐らくわかっている。「この時期休むのはまずいな〜」と思いつつ、だからこそ何も言えない。でも急な風邪だし、有給は権利だし、と自分に言い訳してそれで終了してしまうのかもしれない。

有給は簡単に取りにくいし、やっと取れても翌日の雰囲気が悪い、などと言っている人がいる。もちろん本当に取りにくい会社もあるだろう。でも大半は取る前にしかるべき人に伝えているか、取ったあときちんと対応しているか、ということに尽きる。

こうしたことは決まりごとがあるわけではないので何が正解ということでもない。けれども要は誠意が伝わるかどうかなのだ。

例えば、休むことが事前にわかっているのであれば関係者に一言伝えておく。迷惑をかけないようにしておくのはもちろんだ。風邪で休む場合も、引き継ぐ相手かチームの関係者に一本電話か、せめてメールでもできればずいぶん心象は違ってくる。

そして出社してきた日はすぐ迷惑をかけた人に一番に飛んで行って「ご迷惑かけました。ありがとうございます」と言うだけで全然違う。実際こちらにすごく迷惑がかかったとしても気分はすっとするし「大丈夫?」という言葉が素直に出てくるのだ。

有給は働いている人に与えられている権利だ。でも取得するなら、こういう少しの気遣いが大切だ。そういうことで働いている人たちの人間関係はずっと円滑になる。この先何かあっても助け合うことができるのだ。

まわりへの配慮が出来てこそ与えられる権利なのではないだろうか。

Illustration:Nao Sakamoto