『グリーンマイル』の死刑囚が一生に一度だけ観た映画『トップ・ハット』の名曲に涙!?

オトコ映画論#47

1999年のフランク・ダラボン監督の『グリーン・マイル』(原題The Green Miles) は、スティーヴン・キングが1996年に発表した、1932年の大恐慌時代の死刑囚が収監されている刑務所を舞台としたファンタジー小説を原作とした感動作。表題は、監獄から電気椅子への繋がる古ぼけた緑色の通路を指している。

画像提供:NBCユニバーサル・エンターテイメントジャパン

形式としては、刑務所の看守長だったトム・ハンクス演じるポール・エッジコムが、1999年現在の老人ホームで、友人に60年以上も前の話を聞かせるというもので、年老いたポールが白黒の古い映画、1935年のマーク・サンドリッチ監督のRKOミュージカル『トップ・ハット』を観て、泣き崩れるところから映画は始まる。

回想の舞台が、原作と違って、1935年に変更されている。アメリカのコールドマウンテン刑務所では、死刑囚監房で看守主任を務めるポール・エッジコム(トム・ハンクス) のもとに、身長2メートルのひとりの黒人が送られて来る。彼は双子の少女を強姦殺人した罪を持つ死刑囚ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)だった。

あるとき、コーフィがポールの重い病気である尿路感染症を言い当て、股間に手をかざすだけで治してしまい、ポールは彼の持つ不思議な力は神から授かった特別な存在なのではないかと考える。

ある日、死刑囚棟にネズミが現れた。死刑囚デルはそのネズミを飼って、ミスター・ジングルスと名づけ、芸を仕込んでいた。またある日、ミスター・ジングルスが凶暴な看守パーシーに踏み潰されてしまうと、コーフィはジングルスをそっと手に取り、ケガをすっかり直してしまう。

その後、デルは処刑された。しかし、パーシーが興味本位でスポンジを濡らさず電気を流したため、うまく電気が流れず、デルは苦痛の末に焼き殺された。

刑務所所長の妻は脳腫瘍で、死ぬ間際だった。ポールたちは、コーフィの奇跡の力で治療しようと、コーフィを所長の家に連れて行く。そしてコーフィは見事腫瘍を治す。しかし、いつものように悪い毒を吐き出さない。刑務所まで毒を持ち帰ったコーフィは、パーシーめがけて毒を吐いた。

すると、パーシーは錯乱状態になり、凶悪な死刑囚ウィリアム・ウォートンを射殺し、そのまま廃人になってしまう。コーフィはポールを呼び寄せ手を握ると、ある記憶を伝えた。コーフィはまったくの無罪で、彼が犯人とされている殺しの真犯人はウォートンだった。

しかし、コーフィは「生きているのが疲れた」と死刑を受け入れるつもりだった。処刑の2日前、コーフィは映画を観たことがないので、一目観たいと願い出る。最初で最後、一生に一度の「映画体験」で、彼が選んだのは、マーク・サンドリッチ監督作品で、フレッド・アステア&ジンジャー・ロジャース主演のRKOミュージカル『トップ・ハット』(1935) だった。ここで、冒頭の映画の意味がわかるわけだ。