うちのチョコにベストなのは このお酒、1つだけ ~BAR GLOSS Vol.1

BAR GLOSS/Photo:Daisuke Uchida

店へといざなう細く長い小道には、落とした照明。ライトアップされた竹が並んで隠れ家といった雰囲気だ。銀座の名店で修行を積んだバーテンダーが選んだチョコレートは老舗ホテルのもの。6年前から愛用しているチョコに最高に合うお酒は、これしかない!と、潔く1本のウイスキーを出してくれた。


■BAR GLOSSとは

恵比寿駅から少し離れた坂の上にあるオーセンティックバーは、名物のブラッディーメアリーやこだわりのスコッチウイスキーが有名だ。お酒の美味しさはもちろんだが、ジャズが流れる店内で味わう燻製料理やおつまみ、カレーやこだわりのナポリタン、バジリコスパゲティなどの本格的料理は絶品。自家製チキンカレーライスは日向産赤鶏をつかい、ルウを使わず一からこだわり抜いてつくった人気メニューだ。前日までに予約すれば、イタリアンのアレンジコースも。雰囲気もよく、1人飲みにもデートにも使えそうだ。


BAR GLOSSの南部さん/Photo:Daisuke Uchida

 

―お店を始められた経緯、バーテンダーを目指された理由を教えて下さい。

学生時代にホテルのバーでアルバイトをしていたんです。大学卒業後は、世間体もあるので大きな会社(東証一部上場企業)に総合職で入社しました。が、3年経って“サービス業”に就きたい、飲食業で仕事がしたいと考えていました。

学生時代にバーでアルバイトしていたこともあり、バーテンダーを目指しました。どうせなら銀座のホンモノが集まるところに行ってしまえ、と考え、銀座の老舗のお店に「3年間で10年分鍛えてください」というお願いをしたんです。そのお店で3年修行をして、2007年頃にをオープンしました。

 

―3年でご自身のお店を持つとは、かなり早いですね。

はい、そうお願いしましたから(笑)。けれど、その分3年の修業期間は本当にしごかれましたよ。お客様やマスター、色々な方にお叱りを受けましたが、今思えば、非常にありがたい経験でしたね。

 

―サラリーマンから、飲食店、同じサービス業とはいえ内容はかなり異なってくると思いますが、飲食業を志されたのは、学生時代のアルバイトだけがきっかけですか?

なにより「お客様と直接的に関われる」仕事がしたかった。サラリーマン時代は、お客様との間に卸売りの方々などがいて、あくまで間接的にしか関われませんでしたから。

学生時代のアルバイトの経験ももちろん大きいです。ホテルのバーだと、例えばジャズの生バンドをしたりするんですね。ピアニストが演奏を終えり、カウンターに座ると、常連の方がそのピアニストの方にお酒をご馳走したりするんです。そんな光景をカウンターで見ていた当時20歳くらいの僕が、「大人だ……」と憧れてしまうような世界でした(笑)。

3年間だけですが、サラリーマンをやっていてよかったと思うことは、“組織”というものが多少なりとも分かったので、ある程度お客様と会話ができるようになったことですね。今思えば10年くらい勤めていればもっと勉強できたかな、という心残りも多少ありますが。でもそういう部分も銀座の修業時代に様々な人々からたくさんいいお話を聞けたので、チャラになっていると思います(笑)。

 

―サラリーマンからバーテンダーとなるとかなり勇気がいる選択だったかと思いますが?

それは、もう反対の声がすごかったですよ(笑)。普通に大きな会社だったので。でも結局、上司の人たちや、僕の成功している友人からも「世界を広げてみたら」という声をもらったので、決断できました。

 

―3年で独立したい、というのはなぜ?

30歳までに独立をしたかったんです。キリがいいのもありますし、40歳手前位で独立をしてしまうと、どうしても“自分の型”がある状態でやってしまうので、フレキシブルに対応できるのは若い時だけなのかな、と思いまして。

もちろん若い時の方が荒波にのまれますしね(笑)。僕もこのお店を始めてすぐは若いからという理由で馬鹿にされることもありました。

 

―今、お店で出しているチョコレートはどのようなチョコレートですか?

日光にある、金谷ホテルさんのジョンカナヤというチョコレートですね。お店で出し始めたのは、6年前くらい(オープンは9年前)です。金谷ホテルの社長さんがバーや葉巻を好きな方で非常にお酒とマッチするんですよ。面白いことに、葉巻の形をしたチョコレートも作られているみたいですね。

 

―このチョコレートにたどり着いた経緯を教えて下さい。

恵比寿のガーデンプレイスに昔お店があったのですが、今はうち(BAR GLOSS)の近所に販売店があるんですよ。最初はガーデンプレイスにお店があった時にフラッと入って、「美味しいな」と思い、今は近くに販売店があるので、ずっとそこで購入しています。

昔は自分でもチョコレートを作ったりしていたんですが、今では、チョコレートはここしかないな、という感じですね。やはりチョコレートはチョコレートのプロに任せた方がよいです。

チョコレートは盛り合わせで出しますが、いろんな種類がありますよ。今は4種類置いています。

 

オススメのチョコレートセレクション

1.  レコルテ・ドゥ・ショコラ ライムパパイヤ

Photo:Daisuke Uchida

南国の恵みをショコラで表現したチョコレート。ライム果汁に漬けこんだセミドライのパパイヤと、59%ノアール・チョコレートに仕上げはカカオパウダーで。ライムの酸味がさやかな後味に変わります。

 

2. レコルテ・ドゥ・ショコラ 丹波黒豆抹茶

Photo:Daisuke Uchida

丹波黒豆をホワイトチョコレートでコーティングしたもの。しつこすぎない甘みと鮮やかな緑色が特徴。

 

3. レコルテ・ドゥ・ショコラ カシュー

Photo:Daisuke Uchida

丁寧に自家焙煎したカシューナッツをミルクチョコレートでコーティング。独特の旨味と香ばしさでいくつも口に運んでしまう食べやすさだ。

 

4. レコルテ・ドゥ・ショコラ 花豆

Photo:Daisuke Uchida

一粒約3cm程度の巨大なチョコレートで存在感抜群。61%カカオのノアール・チョコレートで花豆全体をコーティングしている。花豆にはしっかりと手間をかけて火が通してあり、「和」を思わせる贅沢なチョコレート。

 

―そのチョコレートに合わせるお酒はやはり1種類ずつ違いますか?

厳密にいうともちろん違うのですが……、僕はそういう出し方はしないですねぇ。ウイスキーが一番合います。でも、ポイントとしては、シェリー樽のものではなく、バーボン樽で造ったウイスキーの方が合います。

シェリー樽は元々ワインが入っていた樽ですから、そこから造られたウイスキーはドライフルーツのような果実味があり、芳醇な味わいなんです。そうすると、どうしてもチョコレートと喧嘩してしまうんですよ。それよりは、本日出す『GLEN GRANT』のようなバーボン樽から造られたウイスキーの方が、バニラ香があったり、ハチミツっぽい味がして、チョコレートと合いますよ。勿論個人差はありますが。なので、今回合わせて頂くのは、『GLEN GRANT』1つだけです。

ということで、

ベストペアリング:GLEN GRANT 12年

Photo:Daisuke Uchida

Vol.2へ続く

Text:Eri Koizumi

Photo:Daisuke Uchida

■Barデータ

BAR GLOSS(バーグロス)
東京都渋谷区恵比寿南1-17-6 コートモデリアサウス恵比寿102
03-6905-7127
営業時間 [月~木] 19:00~翌2:00(お客様がいらっしゃれば営業時間延長)
[金・土・祝前日] 19:00~翌2:00(お客様がいらっしゃれば営業時間延長)
http://bar-gloss.com