元の上司には結婚の報告をしないのは何故なんだ!?

本人からしてみたら、恐らく誰に報告して誰に報告してないのかなど、気にしてもないのだろう。取り敢えず身近な人から報告をして、あとは覚えていないというのが本音なのだろう。もしかしたら元の上司にも既に報告した気になっているのかもしれない。

けれども逆の立場からすると、報告されないと、何となく「結婚おめでとう」を伝える機会を逸してしまう。せっかくのおめでたいことでもお祝いが言えなくなってしまうのだ。

おまけに今はSNSのおかげで、日々いろいろな情報が勝手に入ってくる。知らなくてもいいことまで知ってしまうことがある。

そういえば私も以前の会社で、特に可愛がっていた部下が結婚したのをSNSの誰かの投稿でたまたま見たことがある。私の場合は、すでに辞めた人間なのだからしかたがない。そうわかっていても一抹の寂しさを感じたものだ。

誰でも彼でも報告したほうがよい、ということではなく、それは多分二人の関係性なのだろう。あとは、今の二人のコミュニケーションの問題だ。いくら一緒に働いていた時にいい関係だったとしても、その後ぱったり途絶えてしまったらどうだろう。結婚するほうは報告したくても「異動して以来まったく話をしていないのに、こういう時だけ連絡をするのもどうしたものか」もしくは、「お祝いを催促しているように思われるかもしれない」などと躊躇してしまうかもしれない。もしかしたら「報告はしたいけれど、結婚式に呼ぶ人数が限られていて呼べない。報告するのは返って失礼かもしれない」と思っている可能性もある。

誰もがすぐに自分の視点で考えてしまいがちではあるが、多分これは双方の問題なのだ。異動したり会社を辞めたりしたとしても、以前いい関係があったのであれば、それからも何らかの会話をしているものだ。それも仕事のことだけではなくプライベートな会話も出来るような関係であれば、ある日突然第三者によって結婚を知らされるということはないだろう。籍は入れたけれど式はしない、とか、結婚式はするけれど身内だけ招待する、などいろいろな話が聞けてすっきり出来たかもしれない。

「何故自分に連絡しないのか。失礼だな」と思うのではなく「そういえば、この頃連絡してなかったから、向こうも連絡しにくかったのだな、これを機会に連絡してみよう」。そのように思えたら素敵なことだ。そうすると一瞬途絶えたように思えた二人の関係もまたいい形で続いていくに違いない。

私も彼の話を聞きながら改めて反省したしだいだ。

Illustration:Nao Sakamoto