生産量の4分の1が17分で売れ切れた!? 噂のネゴシアン、バーンスタインの2015年マジ・シャンベルタンが気になる

オリヴィエ・バーンスタイン・ワイン
Photo:Tadayuki Yanagi

ワイン縦横無尽#31

「生産量の4分の1が17分で売れ切れた」。

英国の老舗ワイン商ベリー・ブラザーズ&ラッドが、オリヴィエ・バーンスタインの2015年ヴィンテージをプリムール販売(※)したところ、同社の割り当て分1000ケース=6000本が、わずか17分で売り切れたという。

オリヴィエ・バーンスタインは、今、ブルゴーニュでもっとも注目されるライジングスターのひとり。代々、家業を継ぐのが伝統のブルゴーニュにあって、オリヴィエはロワール地方の生まれ。2007年にこの地に現れた新参者だ。

当然、父祖代々のブドウ畑など持っているはずもなく、他の栽培農家から買い付けたブドウを原料に醸造している。いわゆるネゴシアンと呼ばれる業態だが、並のネゴシアンとはブドウへのこだわりが大きく違う。

買い付けるのはプルミエ・クリュ(一級畑)とグラン・クリュ(特級畑)のブドウのみ。しかも樹齢の高い樹に限る。さらには単にブドウを買うのではなく、配下のスタッフに直接栽培に当たらせ、畑のオーナーには一切触らせないという徹底ぶり。収穫の少ない年であっても、法定最大収量分の値段で購入するという。

そこまでやるならブドウ畑を借りる“フェルマージュ”(ブドウ畑の賃貸耕作)と呼ばれるシステムのほうが安くつくのではないかとオリヴィエに問えば、「それはそのとおりだが、今はよい畑を貸し出してくれる農家がいない」と肩をすくめる。ただし、ジュヴレ・シャンベルタンのプルミエ・クリュ・シャンポー(42アール)とグラン・クリュのマジ・シャンベルタン(17アール)のふたつは、12年に購入した自社畑だ。

ここ数年は量的に不作の年が続いたうえ、ブルゴーニュワインの市場が世界中に広がり、ブドウの価格が高騰。彼が初めて醸造した07年と比べ、この10年で3倍にもなっているという。「オリヴィエのヤツが100ユーロで買うなら、うちは150ユーロ出すよ」と、ブドウの値を釣り上げる競合相手がいると嘆く。