日本旅館の新世紀を想像させる!? ニセコの坐忘林

坐忘林のスタイリッシュなエントランス、物語の始まりを予感/Photo:ZABORIN

宿泊者の欲望 #51

2015年6月、北海道屈指の美しい山、蝦夷富士こと‘羊蹄山’を望み、アンヌプリを間近に見る森の中に、未来に向けて変わりゆく日本旅館の新世紀を想像させる宿、「坐忘林」(ZABORIN)が開業した。

チェックインロビーと暖炉のあるラウンジ/Photo:ZABORIN

旅館と言うより見かけはリゾートホテル。ニセコの隣、“ニセコ積丹小樽海岸国定公園”内に位置し、倶知安の自然豊かな森の中に佇んでいる。宿はコンクリート打ち放しの外観とスタイリッシュな内装に驚かされるが、そこに漂うもてなしは温かく伝統的だ。日本人の持つ旅館への概念をすっかり変えてしまった宿である。女将はいるものの、スタッフ共々、付かず離れずしなやかで肩に力の入らない対応は心地よく、宿のデザインはともあれ、さすがにマインドはメイド・イン・ジャパンらしい。しかしオーナーは外国人。「ここは日本人の方々に泊まっていただきたい日本旅館」と、ホテルではないと強調する。

雪景色を見ながら温かな銅製の暖炉で温まる/Photo:ZABORIN

敷地内には温泉が湧き、坐忘林温泉と名付けられた癒しのお湯が全15室に引かれ、それぞれの部屋には露天と内風呂が造られた。ゆったりと贅沢な源泉掛け流しが客室内の2箇所で満喫できる。部屋の大きさは70~86㎡と広く、それぞれが異なるデザインであり、どこもリビングルームと寝室、スペースたっぷりのバスルームが揃う。

%e7%84%a1%e9%a7%84%e3%81%ae%e3%81%aa%e3%81%84%e3%82%b9%e3%83%83%e3%82%ad%e3%83%aa%e3%81%a8%e3%82%b7%e3%83%b3%e3%83%97%e3%83%ab%e5%90%8d%e5%ae%a2%e5%ae%a4%e5%86%85
無駄のないシンプルさ、高級感のある客室のひとつ/Photo:ZABORIN
石造りのゆったりした露天風呂は掛け流し天然温泉。内風呂は木造/Photo:ZABORIN

また、旅館ならではの食事の楽しみもある。北海道にこだわる料理長の作る料理は、大胆で繊細な北海道の懐石料理「キタカイセキ」だ。日本人なら誰もが知る北海道の海の幸、新鮮な地元野菜や肉類が、優しい味の贅沢な創作料理となって提供される。

「キタノカイセキ」、この日の前菜/Photo:ZABORIN

寒い地方は寒いときが美しい…というとおり、確かに雪の風景は限りなくロマンチックで美しい。しかし、北海道の春も花に囲まれワクワクするし、夏も清々しくて白樺林は最高だ。秋も自然の織り成す彩りに感動する。やっぱり全ての季節に魅力が宿る、いつでも、何度でも、足を向けたい宿がある。

Photo : ZABORIN

■ホテル情報

坐忘林
住所:北海道虻田郡倶知安町花園76-4
電話:0136-23-0003
http://zaborin.com/