寒い国の快適なビジネスインキュベータ

人間とロボット #6

ストックホルムの街並み Photo:Hiroshi Ishiguro
ストックホルムの街並み
Photo:Hiroshi Ishiguro

久しぶりにストックホルムに来た。スウェーデン王立研究所で高齢の友人が教鞭をとっていたころは、1、2年に一度は訪れていたのであるが、その友人も退官し、他に親しかった若い教授も米国の大学に移ったために、このところは殆ど訪れていなかった。

久しぶりのストックホルムは寒かった。気温は、おおむね氷点下か、日中でも2、3度くらいまでしか上がらない。ただ、公園に目をやると、それでも赤ちゃんを連れて散歩をしている人も見かける。

今回はスウェーデン王立工学アカデミーと日本学術振興会が共催する講演会に呼ばれた。私の講演がネットでアナウンスされると、直ぐに、講演会場の近くにあるビジネスインキュベータで働く現地の知人が昼食に来るように誘ってくれた。

現地に到着して間もなく、そのビジネスインキュベータを訪れた。建物の外観は中世のヨーロッパを思わせる伝統的な建物であるが、中はかなり快適に改装されていた。小さい部屋がたくさんあり、それが細い廊下で繋がっている。昔の間取りそのまま使っているので、何か迷路の様なつくりになっている。そんな建物の中にたくさんのベンチャー企業の経営者や技術者が働いている。大学を卒業して起業したばかりの者が殆どで、会社が大きくなれば、巣立っていくという。それらベンチャー企業を支援するインキュベータのスタッフも同様に若く、私の知人も大学を卒業して間もなくそのインキュベータで働き出した一人だ。