エリック・クラプトンの『いとしのレイラ』とともに次々に表れる死体!? M・スコセッシ監督の『グッドフェローズ』

マーティンさんに、映画の中に使われるロック音楽のことを訊いたことがある。彼は全米でiPhone 6のSiriのコマーシャルに出ていたのだが、2000年頃、iPhone自体の扱いには慣れていなくて、事務所のアシスタントの女の子に、iTunesに楽曲の製作年代ごとにダウンロードしてもらっていた。そのとき、ロックの名曲が綺麗に並んだiTunesを見せてもらったことがある。

『ディパーテッド』のコラム(オトコ映画論 #13)でも書いたが、だから、マーティンさんは夢中になると前に音楽を使ったことは忘れて、1969年のファイルから例えばザ・ローリング・ストーンズ『ギミー・シェルター』を選んでしまうのだ。

反対に、スコセッシより年上の方は、総じてジャズ好きが多い。1929年12月生まれのジョン・カサヴェテス(-1985)、1932年5月生まれのクリント・イーストウッド、1935年12月生まれのウディ・アレンなどはだいたいジャズ好きである。

この『グッドフェローズ』では、エリック・クラプトン率いるデレク・アンド・ザ・ドミノスの『いとしのレイラ』(原題 Layla)が印象的に使われる。2人の少年が野球のバットを持って路上に駐車してあるピンク色のキャデラックに近づくと、キャメラはするするとパンアップして、運転席と助手席で無残な死体になっている男女を映し出す。

名手クラプトンによる流麗なギターによる前半部分と、後半のピアノコーダから成る。そして映画に使われるのは、ドラマーのジム・ゴードンが演奏したピアノ独奏のインストゥルメンタル曲。

この曲が流れている間の死体の数が半端ない。ある者は生ゴミと一緒になってゴミ置き場に捨てられ、またある者は冷凍車の冷凍肉と一緒に吊るされている。

その前のシークエンスではロバート・デ・ニーロ演じるジミー・コンウェイの前にピンピンしている姿を映し出しているだけ、彼らの無残さが浮き彫りになる。

無残といえば、この映画が出世作となったジョー・ペシも、無残にもバットで殴打される。映画全編でfワードは321回言っており、大半はジョー・ペシのセリフだ。

『グッドフェローズ』
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この『いとしのレイラ』はエリック・クラプトンの名曲の一つで、1970年録音、1971年リリースされた名曲。ジョージ・ハリソンの元妻パティ・ボイド(1966-1977)への片想いのラブソングとして知られる。

1979年そしてボイドは晴れてクラプトンの妻になった(結婚生活は1988年まで)。1977年リリースのもう1つのラブバラード『ワンダフル・トゥナイト』も、ボイドへ捧げた曲。

『カジノ』における夫婦のテーマとしてジョルジュ・ドルリュー作曲『カミーラのテーマ』が流れるように、本作のエンドロールに流れるのはやはり『いとしのレイラ』で、もっとも重要な曲としてリフレインされる。

画像提供:ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント