ホワイトチョコレートにシングルモルト!元建築家バーテンダーが生み出すマリアージュ論 ~ドンナ・セルヴァーティカ Vol.1

一級建築士として、第一線で活躍し続けていた古屋敷幸孝さんが、50歳を機に第二の人生として始めたのがドンナ・セルヴァーティカ。

渋谷という街にあって、落ち着いた大人の空間が広がる。女性客やカップル客が多いのも特徴のひとつ。一方で、重厚なヴィンテージ家具で揃えた店内は、男性ひとりで訪れてくつろぐのにも最適。

 


■ドンナ・セルヴァーティカとは?

130種類以上のコニャックとアルマニャック&DRCなどのフィーヌ&マール、60種類のモルト、伝説のグラッパと言われるロマーノ・レーヴィも約40種類揃える。シガーも楽しむことができ、初めての方にもやさしいトリニダットを常備。

チョコレートは、40種類以上のファイン・チョコレートから8~9種盛りのアソートプレートを提供。ドモーリ、ヴァローナ、ショコラティエ・ミキを中心にセレクトしている。


 

Photo:Daisuke Uchida

 

—お店を始められた経緯、バーテンダーを目指された理由を教えてください。

2008年まで建築の設計に携わり、デザイン部門で仕事をしていました。

設計とは生活にかかわる雑学の集まりといえるもので、それを通じて人の生活に密着している食やファッション、アート、音楽などに携わる経験を蓄積してきました。

それまでは設計の仕事に邁進していたのですが、40代後半にさしかかる頃、今まで自分が経験し、蓄積したものを発信できるスペース・空間を持ちたくなり、50歳を目標に設定しました。お酒文化が好きでしたし、バーという世界はこだわりの大人が集う場として、主張ある空間演出も必要であり、今まで蓄積してきた経験を発信出来ると思ったんです。

もちろん、好きなお酒を発信するのですが、それ以外のお酒を中心とした文化的な要素などもくつろぎの時間と空間と共に発信できたら、という思いがきっかけです。

 

—チョコレートとお酒の組み合わせはよく見かけますが、実際、本当に合うのでしょうか?

ウチで扱っているのは、すべて“ファインチョコレート”と言われるものです。ファインチョコレートとは、良質のカカオ豆の特徴を最大限生かして丁寧に作られたチョコレートのことで、最上質のもののみを指します。カカオ豆と砂糖を中心とした原材料で製造され、実は蒸留酒と似ている点がいくつかあるのです。

ファインチョコレートには、それぞれ固有の味の型、“味のプロファイル”があります。マリアージュのポイントは、お酒の特徴とともに、チョコレートの持つ“味のプロファイル”を理解すること。そして“私たちが味を感じる仕組み”を利用して、“お酒とチョコレートを合わせるタイミングを計る”ことにあります。お酒とチョコレートを同時にミックスすることだけがマリアージュではないのです。