いつもメールで用件のみを済ませている人、3回に1回ぐらいは電話にしてみてはいかが!?

Illustration:Nao Sakamoto

心のふきだし #49

今やすっかり定着しているメールのやり取りに意外な落とし穴があるのをご存知だろうか。メールは電話と違って、相手の都合を考えないでいつでも送ることが出来る。確かにささやかなお礼を伝えたい時などは、メールの方がお互いに便利だ。

ただ、慣れてしまうとメールにすべてを頼ってしまいがちだ。遠く離れた取引先ばかりではなく、会社の隣に座っている人にすらメールを送ってしまう。

仕事ではとくに「言いにくいことこそ、メールではなく電話」が鉄則だ。けれども大多数の人が、「そうは言ってもまずはメール」になってしまう。実際は「言いにくいことこそメール」になってしまっている。

それは何故なのだろうか?

次第に「電話をしない」ことが癖になってしまう。取引先には、用件もお礼もお詫びも全てメールで済ませる。用事がある時はメールでアポイントを取る。そうしていると、なかなか電話で話すタイミングがない。

電話というのはかけ慣れると自然にできるのに、一度しなくなると、どんな相手でも、たちまちしにくくなるものなのだ。

「今かけていいものか」「相手の顔色がわからないから何だか恐い」というように、内容が重くなればなるほどかけにくくなる。

以前広告会社にいたときの仕事のひとつに、取引先の展示会やイベントにメディアの人たちを招待する、というPR業務があった。毎日のようにイベントがあるのでメディアの人を呼び続けないといけない。案内状を送るだけだと忘れられてしまうので、必ず確認作業をしなければならなかった。

メールがない時代は全て電話で確認をしていた。会ったことがない相手の場合、電話で本人につながることさえ至難の技だった。けれども電話できちんと趣旨を説明して出席してほしいという依頼をすると、予定がなければ意外と高い確率で来てくれたのだった。

会場で初めて会って、名刺交換すると「昨日電話でお話した方ですね」ということになる。そういうことを繰り返して、次第に人脈を増やしていった。

今のようにメールでの連絡が普通の世の中になると、こうした出席確認もメールですることが多い。電話のように相手の仕事を妨げたりすることがないので便利ではある。

ただ、メールの場合はそのままスルーされることも多いし、「どうしても来てほしい」というこちらの気持ちも伝わらない。毎日の大量なメールに埋もれてしまい、忘れられることもある。結局は相手に迷惑かなと思いつつ、電話をかけ、説明をして出席をお願いをする原始的な方法が一番効果的なのだった。