つまり、レストランは男と女の劇場である!?

レストラン熱中派 #32

Photo:ダイニズテーブル

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岡田大貮氏の活躍の第1幕はショー、ディスコという華々しい舞台だったが、第2幕はさらに大きく変化していく。『ダイニズテーブル』のオープン2年後には『ブラッスリーD』を青山通りに立ち上げる。

1984年にオープンさせた『クラブD』は、いわゆるホステスがいない“クラブ”の元祖。これまでのカテゴリーとはまったく違う2店だった。『クラブD』はディスコがやたら豪華な内装を競うようになったのに反して、音と照明で刺激的な空間を造りだした。これがクリエイター、アーティストたちに大ウケ。その後、ここを真似たクラブが東京中に増えていった。

一方、『ブラッスリーD』はアラカルトでボリュームある料理を楽しめる大衆的なフレンチレストラン。といっても岡田氏の手にかかれば、店内はあくまでスタイリッシュ。出す店、出す店、違うコンセプトで成功させるのだから、飲食業界で岡田氏の名前を知らない人はいないほどにまでなった。バブル景気も手伝って、さまざまな会社からオファーが続き、店や飲食施設、さらにはホテルまでプロデュースしたという(本人も数えきれないとか!)。

『ブラッスリーD』を立ち上げたのは1983年。フランスのブラッスリーはビストロとは少し違う。パリではビールを飲みながら大皿料理(アルザス料理が多い)を楽しめるブルジョワジーが集まる店を指すが、東京でそのスタイルはまだまだ知られていなかった。
Photo:ダイニズテーブル

私がよく覚えているのは、夏季限定のビアハウス。岡田氏はサントリーモルツをプロデュースし、1989年には広尾に『オペラ』をオープン(覚えている方も多いのでは?)。もともと大使館があった場所に仮設劇場を作り、昼間に見ても何があるのかよくわからないが、夜になると、ブルーとピンクの照明でライトアップされ、ステージとテーブルが浮かびあがる。まさにオペラ劇場のような雰囲気。「“真夏の夜の夢”よね~」と楽しませてもらった記憶がよみがえる。

オペラ内観 バブル真っただ中、デパート屋上のビアガーデンはオジサンが行くところ。HANAKO女子たちはオペラを聞きながらビールを楽しんでたワケ……。
オペラ内観
バブル真っただ中、デパート屋上のビアガーデンはオジサンが行くところ。HANAKO女子たちはオペラを聞きながらビールを楽しんでたワケ……。
Photo:ダイニズテーブル
オペラ外観 期間限定だからこそ大胆な演出が可能に。廃墟と化した古いビルや倉庫が、空間プロデューサーたちによって、魔法にかけられたように変身を遂げた。
オペラ外観
期間限定だからこそ大胆な演出が可能に。廃墟と化した古いビルや倉庫が、空間プロデューサーたちによって、魔法にかけられたように変身を遂げた。
Photo:ダイニズテーブル

さて『ダイニズテーブル』の話に戻ろう。フレンチやイタリアンもまだ確立していない80年代の東京で、どこよりも早くフレンチスタイルのチャイニーズに注目した『ダイニズテーブル』。