モード逍遥 #29
就活シーズンに入ると職業柄、友人の奥様などから「息子のリクルートスーツはどこで購入したらいいの?」といった相談を受けることが少なくない。
そんなとき筆者が迷わずに推しているのは“共済スーツ”である。共済スーツとは、県民共済や都民共済で提供しているプレミアム・オーダー・スーツのことである。
「就活スーツなのにオーダーメイドなんて贅沢すぎて反感を買いません?」と、母親たちは心配するが、ここのスーツは最低価格1万3,800円から、とお安いのである。しかも身体にうまくフィットしたものが作れるから、下手な中級既製服を購入するよりもずっと好青年ぶりをアピールできるわけだ。
何を隠そう、息子の就活スーツはここでオーダーした。それどころか、筆者もたまに利用しているくらいの品質である。
筆者に共済スーツのリーズナブルさを教えてくれたのは、昔からの仕事仲間であった加藤雅也さんだった。約3年ほど前の話になるが、彼の友人がものすごく格好いいスーツを着ていたそうだ。好奇心旺盛な加藤さんが尋ねると、埼玉県民共済でオーダーメイドしたというのである。
その友人によると、自分のお気に入りスーツを持ち込み、あれやこれや注文をつけてお試しで作ってみたら、予想以上の出来でビックリしたらしい。
「そのスーツいくらだと思いますか、オプション代をつけて2万円ちょいだったんですゼ!」と、加藤さんは得意げに鼻の穴をふくらませた。