深作欣二監督の名作『バトル・ロワイヤル』はヴェルディの『レクイエム』とともに

オトコ映画論 #40

2000年の深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(英語題 Battle Royale) は、中学生同士が国家の命令で殺し合いをするという衝撃的な内容で、高見広春による第5回日本ホラー小説大賞の最終選考まで残った100万部を超えるベストセラーが原作である。

“R-15”指定で中学生は観られない映画だったが、5000名の中から選ばれたクラスメイト42名には、藤原竜也(七原秋也役)、前田亜季(中川典子役)、安藤政信(桐山和雄役)、山本太郎(川田省吾役)、栗山千明(千草貴子役)、柴咲コウ(相馬光子役)、塚本高史(三村信史)、ビートたけし(担任キタノ)らが選ばれ、映画は31.1億円の大ヒットを飾った。

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この大ヒットの要因には、本編のみならず予告編のTVスポットに使われて、夥しいほどに流されたジョゼッペ・ヴェルディの『レクイエム〈ディエス・イレ(怒りの日)〉』の楽曲のおかげもあるかもしれない。

この曲は声楽のコーラスが入ったカソリックのミサ曲のひとつ。ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト、ガブリエレ・フォーレと並ぶ“三大レクイエム”のひとつに数えられ、“もっとも華麗なレクイエム”と評される曲である。

正式名称は『マンゾーニの命日を記念するためのレクイエム』であり、イタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニを追悼する目的で作曲され、マンゾーニの1周忌にあたる1874年5月22日、イタリア・ミラノのサン・マルコ教会で初演された。

本作には、ヨハン・シュトラウス1世の『ラデツキー行進曲』、ヨハン・シュトラウス2世の『美しき青きドナウ』、フランツ・シューベルトの『水の中で歌う』、ヨハン・セバスチャン・バッハの『G線上のアリア』といったクラシック音楽が使われている。

そのなかでもヴェルディ『レクイエム〈ディエス・イレ〉』はピカイチで印象に残る。もう、『バトル・ロワイアル』と言えば、この曲を思い出すほどなのだ。