現代アートの“隠れ家ホテル”、香港のHullett House

宿泊者の欲望 #44

香港の中心地、九龍半島の突端に位置するチムシャーツイの一等地、カントン通りに面し、2009年11月に誕生した話題のホテル『Hullett House』。近隣には最高級ホテル『ザ・ペニンシュラ香港』や『インターコンチネンタルホテル香港』など名だたるホテルがずらりと並ぶホテル激戦区でもある。

複合ファッションビル『1881 Heritage』の一部にあるホテル棟。
Photo:Hullett House

『Hullett House』は、今では誰もが知る観光スポットとなった白亜のコロニアルビル『1881 Heritage』内に位置している。観光客ばかりか、若者のトレンディスポットでもある場所だが、不思議とこのホテルについては余り騒がれていないのだ。

つまり、オープンから7年も経ち、さらに誰もが知る九龍島の最高の場所にあるにもかかわらず、今なお“隠れ家ホテル”の様相を保ち続ける個性派ホテルである。

『1881 Heritage』はファッションモールとして複合施設になっているが、このビルには謂われが多く、また歴史的価値もある。

建物はかつて香港海上警察として使われ、現在もなお“香港歴史的保存建築物”として残っている。美しく化粧直しはされているものの、外観は昔のままに残されている。

また、館内には高級ブランド店やお洒落な飲食店が並んでいて華やかだ。当のホテルはこの建物の2階部分を占め、入り口さえ分かりにくい。むしろ“知られないほうがいい”のかと思えるほど、ロビーも専用の玄関も分かりにくい。

ホテル名は、19世紀にアジアで活躍し、アカデミー会員であった英国人『Hullett』に由来する。全10室の全ての部屋がテーマを変え、それぞれにの部屋に個性的なインテリアがあるのが印象的だ。

真っ赤な色が印象的な客室『Shek O Suite』
Photo:Hullett House