「映像のことが映像でわかるわけではない」特撮映画の第一人者の本棚 ~樋口真嗣(映画監督)Vol.2

Vol.1はこちら

2016年の邦画を代表する作品となった『シン・ゴジラ』。徹底的にリアリティを追及し、これまでの日本映画の常識を遥かに超えた迫力の映像は、特撮マニア、ゴジラファンのみならず幅広い人々から高い評価を得て、異例のロングラン上映となっている。

この作品の監督・特技監督を務める樋口真嗣さんの仕事場の本棚を見せてもらえることになった。

30年あまり、日本の特撮映画シーンの中心に身を置き、自らを“ゴジラマニア”であることを認める樋口さん。棚の上にはゴジラをはじめとする怪獣のフィギュアがずらり。

国内外の特撮映画に関する本から、鉄道模型の本まで、樋口さんの創り出す映像の裏側を覗くことができるようなラインナップは、プロフェッショナルならではの知識の源と、本物の特撮好きの顔を観ることができる。

Photo:Shinji Higuchi
Photo:Shinji Higuchi

PROFILE:樋口真嗣(ひぐち しんじ)

映画監督。1965年東京都生まれ。1984年にゴジラの怪獣造形に携わり、映画界に足を踏み入れる。1995年には、『ガメラ 大怪獣空中決戦』の特撮監督を務め、日本アカデミー賞特別賞を受賞。2005年に、『ローレライ』で映画監督としてのデビューを果たす。監督作品は、『日本沈没』(2007年)『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』(2015年)『シン・ゴジラ』(2016年)など。
現在はオーバーロードに所属し、人口知能の研究を行う企業であるユビキタスエンターテイメントのチーフ・ビジョナリー・オフィサーも務めている。

 

Photo:Higuchi Shinji

—鉄道模型や鉄道系の本も揃っていますね。これはやはり撮影用にそろえられたのでしょうか? 『シンゴジラ』をはじめとする、圧倒的な映像づくりにはこうした資料本をそろえることも重要ですか?

資料集めは重要です。ネットにないものが本にはいっぱいあります。

 

—こうした本はどのような時にご覧になりますか? 映像のお仕事をされている樋口さんにとって、紙の本というのはどんな役割を果たしているのでしょうか?

映像のことは映像でわかるかというと決してそうではないと思います。文章や図版で二次化した方が理解できることがたくさんあると思うのです。まだビデオがない時代、映像を追体験するには書籍しかない時代に育ったからかもしれません。

Photo:Shinji Higuchi
Photo:Shinji Higuchi