山里の小さな「民宿」に人気集中!? 中国の“今”に感動!

故郷に帰って山里の集落でそういう小さな宿を始めたいという人も沢山いて、しかも、そういう夢を応援するクラウドファンディングが急成長していて、そして、思いの詰まった宿ほど、人気になっているということ。これはとても新鮮な感動でした。

Photo:HIROKO ISHII

滞在した小宿『山舎』(杭州山舎酒店・The Sunsite Hotel)は、中国・杭州の西湖から山へと入ったエリア、龍井茶の茶畑の中の小さな集落にあります。収穫した茶葉を焙煎するかつての茶農家の建物をリノベーションして宿にしています。

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レセプションを兼ねたカフェスペース。近くに住んでいたら毎日通いたくなるような雰囲気に大興奮。奥はライブラリーカフェのようになっていて、滞在中自由に楽しめるパブリックスペースになっています。

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地元農家と提携して作ったオリジナルの『龍井茶』は、春には焙煎仕立ての新茶として楽しめます。10月11月には限定で、桂花(キンモクセイ)の花がブレンドされているので、優雅な香りで季節を楽しむことができます。

Photo:HIROKO ISHII
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部屋はレセプションのある建物の上や、その隣の家、通りを隔てた家と3ヵ所に分かれて8室ほど。漆喰の壁にがっしりしたフローリングには、床暖房が入っていてふんわり暖かいのです。

宿のどこにいても居心地のよさと、こだわりが秀逸。「日本は憧れの場所なんだ。泊まってみたい宿がたくさんあるよ。」と、宿の若き主人・崔さん。この宿を作る前にも、日本各地を旅して研究したそうです。この山舎のようなナチュラル系から、周りの自然の風景を取り入れたシンプルモダン系、あるいは地域の原住民の文化を楽しむスモールラグジュアリーホテルなど、上海や杭州周辺の山里や、雲南省の秘境などにある、こだわりの小さな宿に旅する人が急増しているのです。

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4室ある離れ棟の1階にもパブリックスペース。この奥にはキッチンもあって長期滞在したり、家族や友達と一緒に泊まってここでパーティのようにして楽しんだり、すてきな農村暮らしの気分を味わえます。

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山舎はB&Bスタイル。朝食は、パン、中国料理の麺、雑穀粥の3種類から選べて、カフェでゆっくりいただけます。夕食は近くの農家食堂へ食べにいったり、農家のお母さん料理のケータリングもお願いできます。

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経済成長時代の後、ふと気がつくと心にぽっかりと穴があいているような気持ちになり、心の癒しを感じられる場所へ旅に出る……。こういう感覚はみんな同じなんだなあと、ものすごくシンパシーを感じました。

わたしたち日本人はバブル後に何年もかかってそこへたどり着いたのに、今の中国の若い人たちは、ものすごいスピードで同じところまで到達していることに驚きました。これは、日本各地の“地域を楽しむ”小さな宿にも世界の注目が集まりつつあるチャンス。わたしたちも、ますます個性を磨いて世界からのゲストを迎えなければならないと強く感じた旅でした。

 

Text &&Photos:HIROKO ISHII