本棚を編集するプロが作る、最強の本棚 ~幅 允孝(ブックディレクター) Vol.1

本は、ただ置いてあるだけでは1冊の本に過ぎない。沢山の本をどのように選んで、どのように編集して本棚に並べるかによって、見る人の興味も違ってくる。この本棚の編集(ディレクション)を仕事とするのが“ブックディレクター”であり、幅允孝さんはその第一人者だ。

本に新しい切り口を見出し、今まで手に取ったこともなかった本を多くの人に手にしてもらう機会をつくるため、本屋と異業種を結びつけたり、病院や企業ライブラリーのディレクションをしたり、とその活動範囲は多岐に渡る。自らも編集や執筆を手掛け、現在は愛知県立芸術大学非常勤講師もしている。事務所の本棚には1万冊以上、さらにご自宅(今回は未公開)にはそれ以上の蔵書を持つという本棚作りのプロ中のプロ、幅さんの事務所の本棚にせまった。

 

Photo:Ryoichi Yamashita

 

 

 

 

 

 

 

 

PROFILE:幅 允孝(はば よしたか)

1976年愛知県津島市生まれ。有限会社BACH(バッハ)代表。ブックディレクター。未知なる本を手にしてもらう機会をつくるため、本屋と異業種を結びつけたり、病院や企業ライブラリーの制作をしている。最近の仕事として『ワコールスタディホール京都』のライブラリー制作、クアラルンプールにオープンした『ISETAN The Japan Store KualaLumpur』3Fの書籍フロアなど。その活動範囲は本の居場所と共に多岐にわたり、編集、執筆も手掛けている。著書に『本なんて読まなくたっていいのだけれど、』、『幅書店の88冊』、『つかう本』。『本の声を聴け ブックディレクター幅允孝の仕事』(著・高瀬毅/文藝春秋)も刊行中。愛知県立芸術大学非常勤講師。www.bach-inc.com

 

ーさすが、本の量が尋常ではないですね! 事務所には本棚はいくつあるのですか? それぞれの本棚が置いてある場所を教えてください。

大小様々な本棚が、打ち合わせ室や、浴室、書斎や廊下などいろいろなところにおいてあります。僕は数えたこともなければ、数えようという気概もありませんが、スタッフがざっと集計したところ、合わせて1万冊ほどの本がありました。

 

ーアンティーク家具のような棚ですね。どこで買ったものですか?

東北のアンティークショップのネット通販で購入しました。1920~30年代にイギリスで使われていた本棚らしいです。

 

ー本はジャンル分けされて陳列されていますね。定期的に新しいものと交換したり、整頓しているんですか?

永遠に溜まっていく一方で、交換はしていません。優しいスタッフが日々整頓してくれています。

 

ーちなみに事務所に置かれている膨大な数の本は、全て読まれたんですか?

だいたい目は通しています。分からないものは、献本かスタッフが買ってきたものかなぁ。

 

ー事務所にある本と、ご自宅に置いている本、どちらが量的には多いですか?

自宅の方が多いですね。でも、数えていないので分かりません。そもそも境界がなくなってきました。

 

ーお仕事で読む本と、幅さんが趣味で読まれる本は何か違いがありますか?

特に違いはないです。ただ、骨子をつかむために線を引いたり書き込んだりしてさっと読むものもあれば、口の中でアメダマを転がすように、ゆっくり味わって読む本もあります。

そもそも、読書っていろいろです。

<Vol.2へ続く>

 

Text:Eri Koizumi

Photo:Yoshitaka Haba