アプローチャブル・ラグジュアリー!? “ティファニー”の強み

「ティファニー」の日本における最近の動きで、もうひとつ注目すべきは、銀座本店のすぐ近くにブライダル専門の「ブライダルブッティック」が7月29日にオープンしたことだ。本店にブライダル用のリングを買いに来る顧客をこのブティックに集めて対応しようという狙いである。本店のある中央通りからはちょっと脇道(マロニエ通り)に入った場所にあり、完全予約制だが、土、日はぎっしり予約で埋まっているという。

なるほど、ブライダル商品を買いに来る客が溢れてしまって、本店としてのプレステージが保てないというのは「ティファニー」ならではの悩みだが、本店からすぐ近くのこの館の併設でその悩みも解消というわけだ。

富裕層向けの高級品・アーカイブ訴求のプレステージ戦略と個数で稼ぐブライダル戦略の二正面戦略を同時進行できるところに、Approachable(親しみやすい)Luxury「ティファニー」の本領がある。ファッションには、Affodable (買いやすい)Luxuryというゾーンがあるが、これは本当の意味でラグジュアリーではないので、Approachable Luxuryとはまったく異なる概念である。

ファッションの世界でアメリカが生み出した三大ブランドとは「リーバイス」「ラルフ ローレン」「ティファニー」だと思うが、それぞれジーンズ、デザイナーズ、ラグジュアリーとゾーンは違うものの、共通しているのは、この“Approachable”という点である。一種の人懐こさである。アメリカン・ラグジュアリー「ティファニー」がヨーロッパのラグジュアリー・ブランドに伍して全く引けをとらないのはそうした強みがあるからだと思う。

 

Photo:TIFFANY & Co. JAPAN Inc. – http://www.tiffany.co.jp/