個性派ガールたちを描き続けるミレニアル世代のイラストレーター

彼女は3代続くイラストレーターの一家に生まれた。父方の祖父エリックはデンマーク人で絵本作家として100冊以上の著作がある。父親のピーターはアメリカで生まれたが、その後一家でイギリスに移住し、新聞のコミックや本の挿絵などを描いていた。イギリス人の母親、アメリカ人の祖母もアーティストだという。

「私はロンドンで生まれ育ち、 はじめはイラストレーターじゃなく、アーティストになるって意気込んでいたの。でも大学で専攻を決めるときポートフォリオを先生に見せたら“君の作品はイラストレーションだね”ってあっさりいわれてしまって。やっぱり血には抗えなかったのね(笑)」。

NYへは大学卒業後にやってきた。「初めは3ヶ月くらいのつもりが、フリーランスで短期の仕事しながら、いつの間にか2年にもなってた。でも当時はNYを拠点にするという感覚が薄くて、いつも仮住いみたいな感じ。それで6回も引越しをした末に、一旦はロンドンにひきあげたの」。

でもロンドンに戻ってみたらやっぱりNYが恋しくなった。「ロンドンはNYと比べたらスロー。プロジェクトの数やエキサイティングな仕事も少なくて、なんだか眠っているみたいだった。それで、2年後にまたNYに来たんです」。

Photographs by Akiko Ichikawa

それから2年半が経過。スティングの『Englishman in New York』という楽曲があるが、彼女もそんな気持ちを抱くことがあるのだろうか?

「だんだん感じなくなってきているわね。喋ればあいかわらずイギリス訛りは強いけれども。

ニューヨーカーって常にいろいろ文句言ってるでしょう? でもハードワーカーが多い。このシェアスタジオでも素晴らしい仕事をしているクリエーターばかりで、 自分もぼんやりしてられない、っていう雰囲気をいつも感じるわ」。

NYにはずっと住み続けるのだろうか?「たぶんあと数年はいると思うわ。そのうちどうするか考えるけど、もしかしたら一生考え中、かもね」。

Photographs by Akiko Ichikawa

今一番楽しみにしているのは、来年日本に行くことだという。父親のピーター・ブレグヴァッドはミュージシャンとしても活動しており、70〜80年代にカルト的な人気があったアバンギャルドポップグループ『スラップ・ハッピー(Slapp Happy)』を再結成して、日本公演を行うのだ。

「家族4人で行きます。うちの家族は全員背が高いの。弟なんて2m以上も身長があるからすごく目立っちゃうかも(笑)」。そして彼女の陶器作品も間もなく京都のノットカフェ(Knot Café)で販売が始まる。「自分がクリエートした女の子たちに日本で再会できるのもとても楽しみです」。

Name:Kaye Blegvad カエ・ブレグヴァッド
Occupation:イラストレーター/アーティスト
Location:ブルックリン、グリーンポイント
http://kayeblegvad.com

Photographs by Akiko Ichikawa